牛肉


前年並みの出回り量

 4年8月の推定出回り量(消費量)は、生産量はわずかに減少したものの、輸入量
が増加したため65,655トン(対前年同月比101.6%)と前年並みとなった(図1)。
うち輸入品の推定出回り量は、33,305トン(対前年同月比105.4%)であった。

 8月末の推定期末在庫は、75,988トン(対前年同月比78.0%)、うち、輸入品在
庫は63,964トン(対前年同月比76.3%)となっており、昨年度を通じ減少傾向を続
けた在庫も本年度に入り輸入量が多かったこともあり、反転し、引き続きゆるやか
な増加傾向にある(図2)。


生産量は前年割れ

 8月の生産量は、32,610トン(対前年同月比99.6%)と前年をわずかに下回った
(図3)。

 種類別のと畜頭数を見ると、和牛は、去勢和牛がやや減少したものの、めす和牛
はかなり増加し、全体では40.7千頭(対前年同月比102.2%)と前年に比べやや増
加した。一方、乳牛にあっては、乳おすは38.7千頭(対前年同月比99.6%)、乳め
すは34.2千頭(対前年同月比96.5%)と、ともに減少したため、全体で72.9千頭
(対前年同月比98.1%)となった。


増勢続く輸入牛肉

 8月の輸入量は、36,791トン(対前年同月比143.1%)と前月に引き続き前年同月
の輸入量を大幅に上回った(図4)。

 その内訳(くず肉・煮沸肉を除く。)は、チルド18,387トン、フローズン18,208
トンで、チルドの割合は50.2%と3ヶ月ぶりに5割を上回った。

 事業団が36商社から聞き取った独自の調査によると、9月は8月と比較してチルド
が増加するものと見られ、全体の輸入量は約3万8千トン前後と見込まれる。


枝肉価格は全般的に低水準

 8月の省令価格(東京市場、以下同じ。)は、景気後退感による消費低迷、輸入
牛肉の出回り量の多さなど悲観材料があるものの、スーパーマーケット等での国産
牛肉見直しの動き等から、1,052円/s(対前年同月比87.7%)と7月に引き続き前
月を上回って推移しており、9月の速報値でも1,067円/kgとなっている(図.5)。
和牛の価格は、高級物にまで消費低迷の影響があらわれ、去勢和牛「A−5」で対前
年比96.9%の2,676円/sとなっている。さらに、「A−4」92.1%、「A−3」86.0
%と規格の低いものほど影響が大きくなっている。

 乳用種の価格は、8月は、乳おす「B−3」1,067円/kg(対前年同月比96.1%)、
「B−2」787円/s(対前年同月比88.8%)、乳めす「C−1」354円/kg(対前年同
月比106.0%)と一部に回復の兆しはみえるものの、低い水準で推移している。9月
の速報値は乳おす「B−3」1,062円/s、「B−2」811円/s、乳めす「C−1」371
円/sとなっている。

 輸入牛肉の価格(国内仲間相場)は、8月は、北米産チルドは、ショルダークロ
ッド、トップラウンドがかなり値を下げたのをはじめ全般的に値を下げ、オセアニ
ア産チルドも総じて値を下げた。


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