(鹿児島県 有村 裕之)
「食の創造拠点かごしま」の形成を目ざし、鹿児島県総合基本計画の畜産部門の 一大プロジェクトとして、曾於郡大隅町月野の農林水産省家畜改良センター宮崎牧 場鹿児島支場跡地に鹿児島県肉用牛改良研究所の建設が進んでいる。 平成3年度に基本設計及び実施設計の作成を行い、4年10月に建設工事に着手し、 6年3月に全ての施設が完成する予定である。4年度末に研修施設を備えた本館や 種雄牛舎、精液採取施設等の建設が完了し、これまで3か所に分散して飼養管理し ていた種雄牛の集中管理と精液の分譲を県一本化するとともに、精子関係の研究に 着手するなど5年4月から一部業務を開始したところである。5年度は種雄牛造成 のための検定施設、胚移植や核移植等の新技術を開発するための研究施設の建設を 進め、6年4月に本格オープンされる。 これにより、肉専用種(黒毛和種)では日本一の飼養頭数を誇る本県の、より一 層の肉用牛振興と国内外産地との競争力を強めるため、バイオテクノロジー等先端 技術を駆使した肉用牛改良の促進により能力に優れた種畜生産を行い、本県が世界 に誇るブランド「鹿児島黒毛」の評価の高まりが期待される。