牛乳・乳製品


生乳生産量の伸びは鈍化

 5年5月の生乳生産量は、77万8千66トンと前年同月を上回ったものの、4月に引き
続きその伸びは鈍化した(2.6%)。生産量を北海道、都府県別にみると、両者と
も2.6%の増加であるが、北海道の前年の伸びが高かったこともあって伸びは鈍化
し、都府県は前月までとほぼ同じペースとなっている。また、生乳生産量を季節調
整済み値でみると、4年度は一貫して増加傾向で推移したが、5年度に入って横ばい
から減少傾向となっている(図1)。

前年をわずかに下回った飲用等向け処理量

 5月の飲用等向け処理量は、44万4千84トンと前年をわずかに下回った(▲0.6%)。
飲用牛乳の生産量は牛乳、加工乳ともに前年をわずかに上回ったものの、乳飲料及
び乳酸菌飲料は前年を下回った。なお、飲用等向け処理量を季節調整済み値でみる
と、4年度に入って減少傾向が続き、夏場を底に秋口からやや上向きとなったが、
ここへきて伸び悩んでいる(図2)。

バター、脱脂粉乳の生産量は引き続き増加

 5月の乳製品向け処理量は、生乳生産量の伸びは鈍化しているものの、飲用等向
け処理量の伸び悩みから、32万2千932トンと引き続き前年を上回った(7.4%)。
このため、主要乳製品であるバター、脱脂粉乳の生産量は、ともに前年を大幅に上
回った(バター19.7%、脱脂粉乳11.7%)。こうした需給動向を反映して、バター
及び脱脂粉乳の卸売価格は低下傾向が続いている(図3、図4)。

今月のトピックス
チーズ消費は好調な伸び

 4年度のチーズ需給表によると、消費量は17万4千トンと3年度に比べ6.3%の増加となった。その内訳をみると、3年ぶりにプロセスチーズがナチュラルチーズをわずかに上回っている。また、ナチュラルチーズでは、輸入物の消費量の7万5千トンには及ばないものの、国産品が15.3%増の1万1千トンと伸びているのが目をひく。5年度に入っても、ナチュラルチーズの生産量は19.1%と好調に伸びており、飲用消費が停滞する中で、プロセスチーズとともに今後も需要の増大が見込まれる商品となっている。



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