鶏肉


前年をかなり下回る消費量

 5年5月の推定出回り量(消費量、骨付き肉ベース)は、12万9千92トンと前年を
かなり下回った(▲9.4%、図1)。

国内生産量も前年並み

 5月の生産量は前年並みの12万トン(農林水産省食肉鶏卵課推計)となった(図2)。

 また、農林水産省統計情報部によると平成5年6月、7月、8月のブロイラー用ひな
出荷羽数の見通しは、それぞれ対前年同月比105、99、100%と見込まれている。

依然として抑制傾向にある輸入量

 鶏肉の輸入量は国内相場の低迷により抑制傾向が続いているが、5月は2万4千35
トン(▲22.6%、図3)と5ヵ月連続して前年を下回った。1月から5月までの輸入量
は14万6千トン(前年同期比▲12%)であるが、そのうち中国産は約3万トンで15%
強増加しているのに対し、タイ産が約5万トンで20%の減少、アメリカ産が約4万ト
ンで10%強の減少となっている。

 推定期末在庫は、9万9千153トン(20.0%)と大幅に増加した。これは輸入量が
減少しているにもかかわらず、国内消費が低迷しているためであり、特に国産品在
庫は212.3%となっている。

低迷が続く卸売価格

 5月のもも肉、むね肉の卸売価格(東京、中値)は、それぞれ598円/s(▲3.2
%)、364円/s(▲12.7%)となり(図4)、6月(速報値)は、それぞれ512円/
s(▲7.2%)、309円/s(▲17.2%)となった。5月の連休明け以降、卸売価格
は例年通り下げに転じており、7月に入ってからは、もも肉が480円台、むね肉が2
90円台となっている。

今月のトピックス
堅調な伸びを示す銘柄鶏肉

 近年の鶏肉に対するニーズにも本物志向・高級志向などを求める動きがみられるが、業界でもこの動きに対応して銘柄鶏肉の開発生産が盛んに行われている。
 (社)日本食鳥協会「銘柄鶏肉の生産・流通実態調査報告書」の生産・加工段階における調査結果によると、銘柄鶏肉を取り扱っている比率は8割弱に達しており、その銘柄数も60種を数えている。販売先での評判については“良い”以上が8割を占めており、その理由についても、「おいしい」、「歯応たえが良い」等味重視がみられる。また、この1〜2年で10%以上生産量を伸ばしたとするところが7割強を占め堅調な伸びを示している。



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