牛肉・肉用子牛


〔牛  肉〕

前年をわずかに上回る推定出回り量

 5年1月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、輸入品がやや増加したため、
5万8千298トンと前年をわずかに上回った(1.6%、図1)。

 1月末の推定期末在庫は、本年度当初から、緩やかな増加傾向が続いていたが、
昨年10月をピークに反転緩やかな減少傾向にあり、6万8千26トンと前年同月をかな
り下回っている(▲7.2%、図2)。50%関税を前にした輸入の手控えに加え、在庫
圧縮が流通関係者の基本的な考え方になっていることから、輸入品・国産品在庫は、
いずれも減少傾向にある。

生産量は前年を割る

 1月の生産量は、2万9千954トンと前年をわずかに下回った(▲1.6%、図3)。

 種類別のと畜頭数を見ると、和牛は、去勢和牛がわずかに減少(▲2.0%)した
が、めす和牛がやや増加(5.0%)したため、和牛全体では3万7千600頭と前年をわ
ずかに上回った(1.3%)。一方、乳牛は、乳めすがわずかに増加(1.8%)したが、
乳おすがかなりの程度減少(▲6.2%)したため、乳牛全体では前年をわずかに下
回り6万6千500頭(▲2.5%)となった。

輸入牛肉はかなり上回る水準

 1月の輸入量は、2万8千49トンと前年度をかなり上回った(7.9%、図4)。

 事業団が36商社から聞き取った独自の調査によると、2月の輸入見込みは、冷蔵
品1万6千500トン、冷凍品6千500トン、合計約2万3千トンと1月をかなり下回ると見
込まれ、また、3月については、4月から関税率が50%になることや為替相場の関係
で不透明なところがあるが2月よりもやや減少するものと見込まれる。

卸売価格は全般的に低水準

 1月の省令価格(東呆市場、以下同じ)は、長引く景気後退の影響から、992円/
kgと前月より96円値を下げ、依然として、前年同月をかなり下回る水準となってい
る(▲10.9%)。2月の速報値では、984円/sと続落している(図5)。

 1月の和牛の価格は、去勢和牛「A-5」2,589円/kg、「A-4」1,957円/sと前年
同月を下回り、2月も、1月を下回る水準になっている。

 乳用種の価格は、1月は、乳おす「B-3」1,016円/kg(▲7.6%)、「B-2」733円
/kg(▲8.O%)、乳めす「C-1」295円/s(▲13.2%)と、こちらも、低水準で
推移している。2月の速報値は乳おす「B-3」935円/kg、「B-2」735円/s、乳め
す「C-1」264円/sとなっている。

 1月から2月にかけての輸入牛肉価格(国内仲間相場)は、北米産チルドは、チャ
ックリブがやや値を上げた他は全般的に保合で推移し、オセアニア産チルドは、フ
ルセットがやや弱含みから小戻しで推移した他は、総じて保合で推移した(図6)。

〔肉用子牛〕

黒毛和種・乳用種とも弱含み

 黒毛和種の1月の価格(雌雄平均、以下同じ。)は、39万5千円/頭と前月に比べ
ややに値を下げ、2月の速報値(3月10日現在。以下、この項同じ。)でも、36万7
千円/頭となっている(図7)。

 乳用種の1月の価格は、10万7千円/頭と前月に比べ値を下げ、また、2月の速報
値では9万5千円/頭と値を下げている。

 また、乳用種のヌレ子の1月の価格は、4万5千800円/頭と前年に比べやや値を上
げ、2月の速報値は、4万7千400円/頭となっている(図8)。

今月のトピックス
苦戦が続いている牛肉セール

 本年4月から輸入牛肉の関税率が50%になることに加え、最近の円高傾向を受けて、一部量販店では、関税先取りセール・円高差益還元セールが実施されたが、消費者の購買意欲に大きな変化はみられず期間の短いものとなったようだ。個人消費に元気がなく、必要なものを必要な量だけという節約ムードが強く、ロース系中心のセールを打っても、計画達成は困難であり、販売店は苦戦している。



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