牛乳・乳製品


生産量は引き続き前年を上回る

 5年1月の生乳生産量は、72万2千832トンで、前年度後半の伸びが大きかったこと
もあって伸び率は鈍化しているが、引き続き前年を上回った(3.2%)。生乳生産
を北海道、都府県別にみると、北海道は依然として高い伸びを示している(50%)。
都府県は地域的にはバラつきがあるものの、九州、一東北の回復もあって4年6月以
降やや前年を上回る水準で推移している(2.1%)。最近の生乳生産を季節調整済
み値でみると、4年度に人って増加傾向が続いていたが、冬場に入って横ばいとな
っている(図1)。

前年並みの飲用等向け処理量

 1月の飲用等向け処理量は39万15トンと、わずかではあるが前年を下回った。飲
用等向け処理量を季節調整済み値でみると、4年度に人って減少傾向から横ばいで
推移している(図2)。なお、生産量に占める飲用等向け処理量の比率(市乳化率)
は、4月〜1月で59.9%となっており、`昭和61年度以来6年ぶりに60%を下回る恐れ
が出ている。

主要乳製品の生産は増加、価格は低下

 1月の乳製品向け処理量は、飲用等向け処理量がわずかながら前年を下回ったた
め、32万3千414トンと引き続き前年をかなり上回った(8.4%、図3)。主要乳製品
の生産量は、バター、脱脂粉乳ともに前年を大幅に上回った(バター19.5%、脱脂
粉乳12.8%、図4)。また、バター及び脱脂粉乳の卸売価格は、3年12月以降低下傾
向が続いている。

今月のトピックス
牛乳消費は1人1日90t

 牛乳・乳製品の需給緩和の原因の一つに景気の後退が挙げられているが、菓子業界やホテルで使用されるバター、クリーム、缶飲料等に使用される脱脂粉乳はともかく、普通牛乳の消費の停滞までも景気の影響のせいにされている。牛乳はすでに生活に根ざした食料品となっており、財布のヒモが固くても買い控えられる商品とは思えない。家計消費は全国1人当たり1日90t弱なので、もっと伸びる余地はあると思われるのだが………



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