鶏肉


前年を下回る消費量

 5年1月の推定出回り量(消費量、骨付き内ベース)は、13万1千889トンと前年を
やや下回った(▲3.6%、図1)。特に輸入品の推定出回り量は2万6千トンと前年よ
りかなり減少した(▲11.9%)。これにより、1月末の推定期末在庫は、前月より
約4千トン増加し、8万5千649トンとなった(5.1%)。

国内生産量も減少

 1月の生産量は10万トン(農林水産省食肉鶏卵課推計)となり前年よりやや減少
した(▲3.7%、図2)。

 また、農林水産省統計情報部によると平成5年2月、3月、4月のブロイラー用ひな
出荷羽数の見通しは、それぞれ対前年同月比97、100、98%と見込まれている。

3万トンの大台で推移する輸入量

 卸売価格の低迷により、ここ数ヵ月間輸入量は抑制される傾向にあるものの、1
月の輸入量は3万1千トン(▲5.9%)となり、依然として3万トン台で推移している
(図3)。

卸売価格は1月下旬以降下落

 1月のもも肉、むね肉の卸売価格(東京、中値)は、それぞれ634円/s、381円
/sとなった(図4)。2月(速報値)は、それぞれ547円/kg、335円/sと急速に
下落している。これは、クリスマス及び正月需要が終了したことや、外食産業向け
が不振なためであり、春の行楽需要が活発化するまでは、相場も弱含みで推移する
と思われる。

今月のトピックス
 (社)日本食鳥協会は、鶏肉相場が低迷しているため、緊急需給対策の策定に乗り出した。これは消費が伸び悩んでいるにもかかわらず、依然として高水準の輸入が続いており、特にむね肉の価格低迷が続いていることによる。対策の目玉として、初の鶏肉輸出が検討されており、まず中近東を対象とした輸出が有力視されている。問題点として、採算がとれるかどうかであるが、このような積極的な姿勢によって、国内需給が少しでも緩和されることが期待される。



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