豚肉


消費量はやや回復

 5年3月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、輸入品、国産品ともに前年
を上回ったことから、前年をやや上回る12万4千565トンとなった(5.0%、図1)。

 4年度全体では、国産品がやや下回ったものの、輸入品がソーセージ、ベーコン
など加工品仕向けを中心にかなり上回ったことから、146万1千169トンとほぼ前年
度並みとなった。


半年ぶりに前年を上回った国内生産量

 3月の国内生産量は、冬の気候が暖く産地での出荷が早まったことから、8万7千
164トン(3.5%、図2)と半年ぶりに前年を上回った。農林水産省畜産局によると、
4月の肉豚出荷頭数(見込み)は160万4千頭、5月は149万1千頭といずれも前年並み
を見込んでいる。

 4年度全体では、小規模農家を中心に飼養中止や規模縮小が進み、99万8千858ト
ンと前年に比較してわずかに減少した。


輸入量は3ヵ月連続で前年を下回る

 3月の輸入量は、台湾産の現地相場の高騰、デンマーク産のすそものが輸入しに
くいことなどから、3万7千670トンと3ヵ月連続で前年割れとなった(▲11.2%、図
3)。チルドの輸入量は9千898トン(全輸入量の26.3%)となり、そのうち、台湾
からは6千530トン(全チルドの66.0%)、米国からは2千992トン(全チルドの30.2
%)となっている。

 4年度全体では、需要の多いロースなどを単品で大量に供給できる米国産チルド
が急増したことなどから、前年をやや上回る46万7千216トンとなった。


前年並みに回復した卸売価格

 4月の枝肉卸売価格(東京市場、省令)の速報値は、需要期に入ったこともあり、
3月に比べ16円/s値を上げ525円/sとなり、ほぼ前年並みとなった(▲1.1%、
図4)。

 しかし、中旬は連休需要を見込んだ手当て買いもあり、一時安定上位価格(565
円)を超えたり、連休直前には出荷頭数の増から500円割れになるなど、乱高下の
相場となった。


今月のトピックス
大規模が著しい養豚経営

 「畜産統計」(農水省、平成5年2月1日現在)によると、豚の飼養戸数は昨年と比べて15.4%減少し2万5千戸となり、飼養頭数も1.7%減少し178万3千頭となった。しかし、肥育豚の飼養頭数規模2千頭以上層では、飼養戸数で7.4%、飼養頭数で6.1%と伸び、大規模化がみられる。特に、九州では鹿児島県を中心に大規模経営戸数が大きく増加した。



元のページに戻る