牛肉・肉用子牛


〔牛  肉〕

推定出回り量は前年を大幅に上回る

 5年3月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、輸入品、国産品と今に増加
し、全体で7万1千557トンと前年を大幅に上回った(26.4%、図1)。

 推定期末在庫は、10%の関税引き下げをひかえ昨年10月以降緩やかな減少を続け
てきたが、年度末になって一段と在庫圧縮が進み、3月末は5万1千515トンと前年同
月を大幅に下回った(▲16.1%、図2)。輸入品・国産品在庫とも、いずれも前年
同月を下回っているが、特に国産品在庫は1万トンを割り、9千649トンとなってし、
る。


生産量は9.4ポイントの増加

 3月の生産量は、3万5千17トンと前年同月をかなりの程度上回った(9.4%、図3)。

 種類別のと畜頭数を見ると、和牛は、去勢和牛、めす和牛とも増加した(それぞ
れ9.3%、15.2%)ため、和牛全体では4万300頭と前年をかなり大きく上回った(1
1.5%)。一方、乳牛も、乳用肥育おす牛、乳用めす年とも増加した(それぞれ11.
0%、6.2%)ため、乳牛全体では7万8千100頭とかなりの程度(8.5%)増加した。


前年を大幅に上回った輸入牛肉

 3月の輸入量は、前年が少なかったこともあり、2万3千293トンと大幅に上回った
(41.9%、図4)。4年度の輸入量は、42万3千トンと前年度を大幅に上回り(29.5
%)、部分肉ベースでは、国内生産量を超えた。

 事業団が36商社から聞き取った独自の調査によると、4月の輸人見込みは、冷蔵
品2万3千トン、冷凍品3万5千トン、合計約5万8千トン前後と3月を大幅に上回ると
見込まれ、また、5月については、4月よりもかなり減少するものと見込まれる。


卸売価格は依然として低水準

 3月の省令価格(東京市場、以下同じ)は、979円/sと前月並みであったが、4
月の速報値では、1,030円/sとなり昨年水準まで戻した(図5)。

 3月の去勢和牛「A-5」、「A-4」の価格は、前年を下回り、4月も、引き続き前年
を下回る水準になっている。

 乳用種の価格も、3月は、乳おす「B-3」、「B-2」、乳めす「C-1」とも、低水準
で推移している。4月の速報値は乳おす「B-3」、「B-2」、乳めす「C-1」と、とも
に3月より値を上げている。

 3月から4月上期にかけての輸入牛肉価格(国内仲間相場)は、北米産フローズン
では、ショートプレート、テンダーロインのがやや値を上げた。オセアニア産チル
ドは、フルセットでやや弱含みから子戻しで推移(図6)した他、ナーベル、キュ
ーブロール、D−ランプ、ストリップロインともに強含みで推移した。


〔肉用子牛〕

黒毛和種・乳用種とも弱含み

 黒毛和種の3月の価格(雌雄平均、以下同じ。)は、35万3千円/頭と前月に比べ
やや値を下げ、4月の速報値(5月10日現在。以下、この項同じ。)でも、33万円/
頭となっている(図7)。

 乳用種の3月の価格は、9万4千円/頭と前月並みであったが、4月の速報値では、
8万9千円/頭と値を下げている。

 また、乳用種のヌレ子の3月の価格は、5万2千200円/頭と前月に比べかなりの程
度値を上げ、4月の速報値も、5万2千円/頭となっている(図8)。


今月のトピックス
4年度の牛肉輸入量
                                                       (単位:トン)
  アメリカ カナダ オーストラリア N・Z その他 中南米 EC アジア その他
冷蔵 61,642 154 152,638 2,324 89 10 4 75 216,847
冷凍 121,228 794 74,078 5,995 1,532 179 301 10 1,039 203,626
くず肉 3 3
煮沸肉 879 584 1,487 1,092 308 88 2,950
182,870 948 227,597 8,903 3,108 1,280 304 321 1,202 423,427

資料:大蔵省「日本貿易月表」
  注:部分肉ベース。くず肉は、ほほ肉及び頭肉のみ。




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