豚肉


冷夏の影響で出荷頭数は順調

 5年8月の国内生産量は、冷夏の影響で豚の発育が順調であったことから、前年を
やや上回る7万8千803トンであった(5.4%)。国内生産量を季節調整済み値でみて
も、今年に入り増加傾向で推移している(図1)。

 農林水産省畜産局によると、9月の肉豚出荷頭数(見込み)は前年並みの160万頭、
10月は前年をわずかに下回る169万頭と見込んでいる。


再び前年比で増加に転じた輸入量

 8月の輸入量は、3万7千525トンで前年をかなり上回った(11.8%)。輸入量は、
国内相場の低迷を反映して今年に入り前年を下回って推移していたが、再び増加に
転じた(図2)。

 国別でみると、デンマーク産が国内でのベリーの需要増を反映して先月に引き続
き最も多かった。一方、ロインなどの高級部位中心の米国産が需要低迷から前月よ
り大幅に減少した。


消費は前年をかなり上回る

 8月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、前年をかなり上回る12万147ト
ンとなった(7.9%)。しかしながら、推定期末在庫量は8万7千675トンと国産品を
中心に依然高水準である(7.3%)。


夏場の安値を引きずった9月の卸売価格

 8月の枝肉卸売価格(東京市場、省令)は、7月に比べ89円/s値を下げ427円/
s(▲20.0%)となった。

 9月(速報値)は、台風による影響で一時多角なることもあったが、全般には夏
場の安値を引きずる形で推移し、先月とほぼ同じ423円/kg(▲23.4%)となった
(図3)。

 なお、農林水産省は、卸売価格の回復を図っていくために、10月7日より全国農
業協同組合連合会、食肉加工業者の団体等を実施主体とする調整保管を実施するこ
ととした。


今月のトピックス
狭まる輸入量の季節変動

 豚肉の輸入量について、チルド、フローズン別に毎年現れる規則的な季節変動だけを統計的に取り出すと図4のようになる。これをみると、チルドは国内生産量が減少し国内相場が高くなる7月に、また、フローズンはお歳暮用の加工品向けが集中する10、11月にそれぞれピークとなっていることがわかる。しかしながら、輸入量が増大する一方、輸入の恒常化が進み、その変動幅は狭まりつつある。



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