牛乳・乳製品


生乳生産量の伸びがさらに鈍化

 5年7月の生乳生産量は、74万6千407トンと前年をわずかに上回ったものの、その
伸びは前月よりも鈍化した(0.6%)。また、生乳生産量を季節調整済み値でみる
と、3年、4年は、一貫して増加傾向で推移しているが、5年に入ってからは、減少
傾向で推移している(図1)。


低迷続く牛乳消費

 7月の飲用等向け処理量は、44万241トンと前年をやや下回った(▲3.1%)。飲
用牛乳の生産量の内訳をみると、牛乳、加工乳とも前年を下回っている(▲5.5%、
▲4.0%)。飲用等向け処理量を季節調整済み値でみると、4年の秋口にわずかに上
向いたものの、5年に入ってからは、減少傾向で推移している(図2)。


バターは供給過剰

 7月の乳製品向け処理量は、29万6千217トンと前年をかなり上回った(6.5%)。
バター、脱脂粉乳の生産量も前年を大きく上回っているが(バター10.8%、脱脂粉
乳4.4%)、生乳生産の伸びが鈍化していることから一時ほどの大きな伸びではな
い。このような供給過剰により、バター、脱脂粉乳の卸売価格は前年から低下傾向
にあり、特にバターの卸売価格はその下げ足を速めている(図3、図4)。


今月のトピックス
(社)中央酪農会議、生乳の計画生産量を1.5%減産

 (社)中央酪農会議は、9月3日の都道府県指定生乳生産者団体会長会議の議決を得て年度当初(平成5年3月8日)に決定した生乳出荷目標数量を、最近の牛乳乳製品の需要動向等を勘案して下方修正することを決めた。具体的には、当初の計画目標(前年実績比)の100.9%を98.5%にするもので、上期の生乳受託実績が当初の計画生産どおり推移した指定団体でも、下期の伸び率は、前年同期比96.2%程度とする必要がある。
 このため、全乳哺育、経産牛淘汰、飼料給与方法の見直し等の対策により、目標数量の達成を図るほか、乳製品の需要拡大緊急対策運動により過剰解消対策に取り組むこととしている。



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