◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

  地方農政審議会委員が繁殖経営を視察

 

(宮崎県 児玉盛信)
 九州・沖縄ブロック農政審議会が5月26日宮崎市で開催されたが、 審議会に先
立ち、 委員等が宮崎県新富町の和牛繁殖経営を視察した。 
 
  県を代表する和牛繁殖専業経営の1人である松本氏は、 昭和38年に繁殖牛3
頭からスタートし、 その後、 工夫を重ねながら徐々に規模を拡大し、 現在、 繁
殖牛69頭の多頭化に成功している。 
 
  当日は各委員から多頭化、 経営安定化のための創意工夫や、 子牛価格低落の
状況下での今後の規模拡大等の経営戦略について矢継ぎ早に質問が出された。 
 
  松本氏は、 早くから正確な記帳を行い、 施設機械への投資を抑え、 省力化に
努め、 堅実な多頭化を進めるとともに受精卵移植等の先進技術も積極的に取り
入れるなど、 生産コストの低減に前向きに取り組んでおり、 委員らはその姿勢
に感心していた。 中でも、 農業が抱える課題の一つ、 後継者の確保と花嫁対策
に話題が移ると、 同氏が後継者夫婦と一致協力し、 立派な経営と明るい家庭を
築いていることを見て、 “実践こそ最大の後継者育成”“親の後ろ姿の教育”
の立派な事例であると一同うなずいていた。 
 
  今後とも厳しい農業環境にめげず、 さらに立派な畜産経営を目指して頑張る
ようにとの激励の言葉を受け、 松本氏は同じ和牛生産県である鹿児島県知事と
固い握手を交わした。 

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