ご 挨 拶

                          畜産振興事業団   理事長          塩 飽 二 郎


 6月2日付けで理事長に就任いたしました。 
国際化の進展と長引く不況の下で、 我が国農業・農村は厳しい環境の下にあります
が、 特に、 畜産はどの畜種をとっても、 価格の低迷、 さらに後継者不足等々容易な
らざる状況にあり、 責任の重さを痛感しております。 
 
  とりわけ、 来年からは国会の批准等の手続きを経た上で、 昨年12月に合意された
ガット・ウルグアイ・ラウンドにもとづく新たな枠組みの中で、 我が国の畜産政策
が展開されることになります。 そのような状況のもとで畜産振興事業団の役割も、 
益々重要になってきており、 我が国畜産の発展のため、 努力を傾注したいと決意を
新たにしているところです。 
 
  我が国畜産の現状と今後の施策については、 本誌先月号の巻頭言において高木畜
産局長が簡潔に述べられているところなので、 敢えて申し述べませんが、 我が国畜
産の明るい将来を開くためには、 従来にも増して当事業団の業務機能を有効に発揮
していかねばならないものと考えております。 適切な指定食肉、 乳製品等の需給調
整、 肉用子牛と加工原料乳についての不足払制度の円滑な運用、 指定助成対象事業
の的確な実施、 さらには、 畜産をめぐる内外の情報の収集提供業務の充実等は、 い
ずれも今後の主要な畜産物の価格安定と畜産の振興にとって欠くことのできないこ
とであります。
  今村前理事長の下では、 特に、 牛肉の輸入自由化を迎えて、 我が国畜産の新しい
局面への対応に力を注いできたわけですが、 今後も予想される我が国経済、 社会の
変化の下で、 21世紀に向けて揺るぎなき畜産の確立が必要となっています。 このよ
うな中、 事業団といたしましては、 行政当局ともども、 役職員一丸となって業務に
邁進する覚悟でおりますので、 今後ともご指導、 ご鞭撻の程よろしくお願い申し上
げます。 
 なお、 この 「畜産の情報」も発行当初はわずか1,600部でしたが、 現在では3,300
部となり、 全国の畜産関係者にご愛読いただいています。 波乱に満ちた我が国畜産
の目となり耳となるべき情報提供業務の核として、 一層の内容の充実を図り、 お役
に立つものとしていく所存でおりますので、 皆様方の遠慮のないご意見をお願いす
る次第であります。 
 
 終わりに当たり、 皆様方のご健闘をお祈りして私のご挨拶といたします。 
  
  

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