| この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
（北海道 佐藤辰四郎）
北海道宗谷支庁管内は､ 厳しい気象条件下にあるものの広大な草地に囲まれた自然 豊かな草地型酪農地帯である｡ しかし､ 個々の農家レベルでは､ 農場の環境づくり に悩んでいるところもあり､ 消費者が ｢衛生的で美味しい牛乳｣ を求めている昨今 ､ 商品のイメージに直接的に結びつく農場の環境整備が課題となっている｡ このような背景から､ 同支庁では､ ５年度の事業として ｢農場環境づくりガイド｣ (宗谷版) ～クリーン＆グリーン宗谷酪農郷づくりをめざして～を作成した｡ 内容は､ 農場の環境をデザインすることから始まり､ 家族全体で夢を語り合って ､ 将来の環境づくりの実現を５年あるいは10年計画で目指すもの｡ そのメリットと 手順は､ 次のとおり｡ ＜メリット＞ ① 家族にとって快適で潤いのある生活を築く｡ ② 生産物の評価を高め､ 農村の暮らしを豊かにする｡ ③ 思考や作業の能率を良くし経営成果に結びつける｡ ④ よりよい環境は､ 豊かな人間を育てる｡ ＜手 順＞ ① 環境整備年次計画書の作成 ② 家族会議による ｢我が家の農家づくりの夢｣ ③ 配置図の設計 また､ 生活環境と生産環境の整備に関する具体的事例も整理されている｡ 生活環境‥花壇・芝生・屋敷林の作り方､ 水洗トイレ・シャワーの設置方法など｡ 生産環境‥堆肥盤・パドックの整備､ 休憩室の設置方法など｡ このガイドは指導者向けであり､ 別に普及版としてパンフレット ｢GREEN CULTURE｣ を作成し､ 農家へ広く配布した｡ この資料の活用により､ 農場の環境づくりが進み､ ひいては牛乳､ 乳製品のイメージアップに結びつくものと期待されている｡