◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

   砂利採取場の副産物を利用したバンカーサイロ

   

                                                       (北海道 田中義春)


  北海道厚岸町のIさんは、 なるべくお金をかけないように砂利採取場の副産物で
ある「ズリ」 を利用してバンカーサイロを作った。 「ズリ」 は地元では 「バンクズ」
とも呼ばれ岩盤が風化して石と土砂が混合したもので、 砂利として販売できない部
分である。 
 
  このズリを骨材とし、 セメントを混ぜて、 容積630のバンカーサイロを作り上げ
た。 費用はズリの運賃と作業機械のリース代あわせて80万円。 ズリは無料で手に入
る。昨年完成し、 すでにグラスサイレージを作り、 乳牛に給与している。 サイレージ
の出来映えは、 通常のものと遜色なく、 牛の食い込みも変わらなかった。 
 
  ただ、 心配なのは土砂が主材料のため、 流失してサイレージと混ざることである。
サイレージ原料と土との接触部分をビニールなどの資材で覆い、 土との接触面積を
小さくする工夫が必要だ。 
 
  根釧地方といえば、 スチールサイロを想像しがちだが、 最近はバンカーサイロな
ど低コストの簡単なものが見直されている。 



 


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