| この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
(鹿児島県 田良島 靖)
鹿児島県姶あい良ら郡福山町は､ 錦江湾 (鹿児島湾) の奥部に位置する人口 7,600人の農業の町である｡ ４年度の農業粗生産額 38億4,800 万円のうち畜産 は74％の28億3,400万円で､ 畜産の町とも言える｡ 畜産の中でも肉用牛が中心 であり､ 465戸の農家で5,040頭 (５年２月現在)を飼養し､ 子取り用雌牛2,480 頭､ 子牛生産頭数1,838頭 (４年度) と県内でも屈指の和牛の産地であり､ ｢和 牛のふるさと福山町｣ と町民が名乗るのもうなづける｡ いま農村では､ 担い手農家の減少や高齢化の進展などによる後継者不足が深 刻な問題となっているが､ ここ福山町では ｢魅力あるふるさとづくり｣ を目指 し､ ６年度からユニークな新規事業として ｢福山町・和牛少年隊｣ 事業をスタ ートさせている｡ 21世紀を担う後継者育成を目的として､ 町立牧之原小学校の５年生76人を対 象に､ 肉用牛農家での体験学習や畜産品評会の見学等を社会科学習の一環とし て実施することとしている｡ この研修を通じて､ 肉用牛への理解と関心が高ま り､ 後継者として巣立つことを期待したい｡ 研修終了後､ 全員から提出された 感想文にあふれる､ 少年少女の夢いっぱいのアイデアや希望に ｢和牛のふるさ と福山町｣ の将来を託したいものである｡ ｢和牛少年隊｣ のお揃いのグリーンの帽子が､ まもなく町内あちこちで見られ るようになり､ 幾年か経て､ 町内がグリーンの帽子で満ちあふれたとき､ 名実 ともに ｢和牛のふるさと福山町｣ となるであろう｡ チェストいけ｢和牛少年隊｣！