生産量は減少傾向で推移 6年1月の国内生産量は、前年並みの8万3千93トンであった。また、最近の 生産量を季節調整済み値でみると、依然、減少傾向で推移している(図1)。 なお、農林水産省畜産局によると、2月の肉豚出荷頭数は147万5千頭(▲2 %)、3月は164万5千頭(▲1%)と、いずれも前年を下回ると見込んでいる。 減少傾向のフローズン、増加傾向のチルド 1月の輸入量は、3万4千554トンと前年をやや下回った(▲3.4%)。 輸入量を季節調整済み値でみると、チルドは品揃え、価格面でテーブルミート としての引き合いが強いことから増加傾向で推移しているが、フローズンは加工 用需要の減退により減少傾向で推移している(図2)。 消費は前年をわずかに上回る 1月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、前年をわずかに上回る11万 3千418トンとなった(2.7%)。しかしながら、推定期末在庫量は8万7千467 トンと、調整保管の実施されていた国産品を中心に依然高水準にある(6.0%)。 2月には一時500円を超えた卸売価格 1月の枝肉卸売価格(東京市場、省令)は、5年12月より17円/kg値を下げ、 415円(0.7%)となった。 2月(速報値)は、1月より24円/kg値を上げ、439円(▲4.8%)となった (図3)。特に、下旬にかけては、国産豚の増体が寒波の影響で思わしくなかっ たことや輸入豚肉も米国産が寒波の影響でロースを中心に品不足になったことな どから値を上げ、一時500円を超えた。 枝肉相場の回復に伴い、昨年10月から実施されてきた豚肉の調整保管は、2月 10日から実施されていない。なお、2月までの調整保管の実施頭数は、全国17市 場で5万5千頭であった。 今月のトピックス
豚肉の消費量の季節変動 豚肉の消費量から、規則性を持って現れる季節変動部分(S値)を取り出すと、図4のようになる。これをみると、消費量のピークは輸入品が年末需要の手当が活発化する10月に、また、国産品が正月を控えて豚の出荷が増える12月にそれぞれ迎えていることがわかる。一方、底となるのは、正月及び5月の連休が明けた1〜2月と5〜6月の2つの時期となっている。この時期は営業日が少ないことや正月及び連休の反動などが影響しているようだ。また、国産品は8月にも消費が減っているが、これは夏場のスタミナ食として需要面での引き合いは強いものの、お盆で営業日が少ないことや豚の出荷頭数が減ることなどに起因しているものと考えられる。いずれにしても、この季節変動は、ここ数年変わっていない。 |
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