〔牛 肉〕 前年をかなり上回った推定出回り量 6年1月の推定出回り量(消費量)は、冷蔵品輸入量が高水準(43.5%)にあ ったため輸入品の出回り量が前年を大幅に上回り、全体で6万6千470トンと前 年をかなり大きく上回った(14.0%、図1)。 推定期末在庫は、依然高水準にあり1月末では8万1千912トン(20.4%、図 2)とほぼ前月並みとなった。その中にあって、輸入品在庫は5年3月以降増勢 を続け一時8万トンを超えた時期もあったが、1月末では7万トン強と減少状況 にあるものの在庫の大勢(87.5%)を占めている。 牛肉生産量は、やや増加 1月の牛肉生産量は、3万1千184トンと前年をやや上回った(4.1%、図3)。 と畜頭数を種類別で見ると、去勢和牛、めす和牛ともかなり増加し、和牛計で は4万3千300頭と前年をかなり上回った(15.0%)。一方、乳牛は、乳めすが ほぼ前年並み、乳用肥育おす牛がわずかに減少したことから乳牛計では6万6千 600頭(0.1%)となった。その結果、成牛全体で11万1千800頭と前年をやや上 回った(5.0%)。 依然高水準の輸入量 1月の輸入量は、冷蔵品が2万1千883トン、冷凍品1万3千868トン、その他 (煮沸肉、ほほ肉、頭肉)167トン、合計3万5千919トンと前年同期を大幅に上 回っている(28.1%)(図4及び図5)。 事業団が36商社から聞き取った独自の調査によると、2月の輸入見込みは、冷 蔵品2万4千トン、冷凍品1万5千トン、合計約3万9千トン前後と1月を上回 ると見込まれ、また、3月については、2月よりも増加し、4万3千トン前後と 見込まれる。この結果、5年度の輸入量は55万5千トン前後になる模様である。 枝肉卸売り価格は軟調 1月の省令価格(東京市場、以下同じ)は、1,074円/kgと前年をかなり上回 った(3.8%、図6)。2月の価格(速報値、瑕疵のある枝肉を除く)は、1,111 円/kgとなっている。和牛の主要なクラスの価格は、1月については、景気が引 き続き思わしくないこともあり、和去勢 「A−5」 で2,500円台、「A−4」 では1, 900円台と大崩れはなかったものの低調な推移となった。 一方、1から2月上期にかけての輸入牛肉価格(国内仲間相場)は、総体的な 荷余り感が依然続いており、オセアニア産冷凍品ブリスケット、テンダーロイン が前年を上回る価格水準での荷動きがあったもの、主要部位の価格は前年割れと なっている。 〔肉用子牛〕 黒毛和種は33万円台で横ばい(2月速報) 1月の黒毛和種の子牛取引頭数は、3万5千頭で前月をかなり上回り、取引価 格は雌雄平均で前月を1千円上回る33万2千円/頭となった。特に雄子牛につい ては、昨年6月に33万円台/頭に下げた以降、肥育農家側での和子牛の導入意欲 に支えられ、小幅ではあるが価格を持ち直しつつ、37万円/頭となっている。2 月の速報値(2月28日現在。以下この項で同じ)でも、雌27万8千円/頭、雄37 万6千円/頭、平均33万4千円/頭とほぼ横ばいで推移している(図7)。 ヌレ子は回復(2月速報) 1月の乳用種の子牛取引頭数は、2千800頭で前月を400頭ほど下回った。取引 価格は雄子牛が堅調であったことから雄雌平均8万4千円/頭と前月より値を上 げた。2月の速報値では、雌雄とも堅調であり平均9万2千円/頭とかなり価格 を回復している。1月の乳用種のヌレ子の価格は、4万7千円/頭と低水準にあ ったが、2月の速報値では5万1千円/頭と回復しいる(図8)。 今月のトピックス
5年の牛肉需給について 5年12月の輸入数量が公表されたことに伴い、5年(暦年ベース)の需給は、次のとおりとなり、輸入品の推定出回り量は50万トンを超えた。 (単位:トン)
(注)1.部分肉ベース。 2.5年の生産量は概数値。
|
元のページに戻る