この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
(北海道 牧瀬邦弘)
平成3年から全国的に酪農家調査が実施されているが、この度、北海道の4年 度の調査結果(9,489戸)がまとまった。 酪農家は個人経営が大部分であり、平均酪農従事者は2.6人。後継者の不足も あり徐々に高齢化することが予想される。 経営主の1日労働時間は、通常期7.5時間、繁忙期12.4時間になっている。年 間労働時間は3,132時間になり、都府県より691時間も多い。大規模経営や従事者 の多い経営において経営主の労働時間が長くなる傾向がある。また、共同作業の 有無による経営主の労働時間の差はあまりない。 労働軽減の方策として「飼養管理改善」をあげる人が5割と最も多く、「ヘル パーの活用」、「搾乳飼養管理の省力化投資」が3割以上と続いている。 大規模層では、雇用労働力の活用や、作業委託、省力化投資の比率が増え、40 頭前後の層では、飼養管理改善、ヘルパー活用、粗資料調製改善の比率がほかの 層よりも高くなる。 共同作業は、約半数が実施しており、都府県の2倍近くなっている。共同作業 を行っていない人の2割は、相手があれば実施したいとしている。 後継者についての調査では、16才以上の子供がいると回答した人は、無回答を 除くと約半数であった。そして、16才以上の子供がいる人のうち、半数は後継者 が決まっていると回答した。都府県に比べ子供は少ないが、後継者になる比率は 高い。 後継者の決定理由は、「後継者自身が家業なので当然と考えた」が最も多く、 次いで「自由度が高い」となっている。(続く)