◎地域便り


交雑種の契約生産

(岩手県 帷子剛資)


 本県の特産牛である日本短角種は、牛肉輸入自由化の影響で平成2年度以降子
牛・枝肉価格とも急落、肉用子牛生産者補給金制度の発動等により、再生産を維
持している厳しい状況にある。

 現在、県内からは年間4,000頭ほどの短角肥育牛を出荷、うち約3分の2は県
内外の生協等と産直方式で安定的に販売されているが、これ以外の一般流通のも
のは、概ね輸入牛肉並みの価格で取引きされている現状にある。

 このようななか、一戸町農協は平成4年から県内の一大規模肥育経営体との間
で交雑種〔黒毛和種(雄)× 日本短角種(雌)〕の契約生産に取り組んでおり、
昨年11月以降に交雑子牛の供給を開始しているが、1頭当たり約17万円と短角子
牛の2倍近い価格で引き取られており、短角種の活路を拓く新たな方式として注
目されている。取り組みの特色と概要は次の通りである。

 なお、5年は76頭(40戸)が交配済みであるが、6年は120頭と拡大の予定で
ある。

(特色) 肥育経営体指定の兵庫系種雄牛を交配(まき牛繁殖)し、交雑子牛は
    体重230kg(去勢)で173千円を基準として買い取られる契約生産方式で
    ある。

     このため、農家は安心して取り組めるシステムとなっている。

(概要) 
交配 分娩 販売実績(平成5年度)
  頭数 体重 価格(単価)
19戸 52頭

(平成4年)
40頭

(平成5年)
去勢 21頭 265kg 183,714円(697円)
19頭 231kg 152,203円(661円)
(肥育成績は平成7年夏頃判明)



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