(岩手県 帷子剛資)
本県の特産牛である日本短角種は、牛肉輸入自由化の影響で平成2年度以降子 牛・枝肉価格とも急落、肉用子牛生産者補給金制度の発動等により、再生産を維 持している厳しい状況にある。 現在、県内からは年間4,000頭ほどの短角肥育牛を出荷、うち約3分の2は県 内外の生協等と産直方式で安定的に販売されているが、これ以外の一般流通のも のは、概ね輸入牛肉並みの価格で取引きされている現状にある。 このようななか、一戸町農協は平成4年から県内の一大規模肥育経営体との間 で交雑種〔黒毛和種(雄)× 日本短角種(雌)〕の契約生産に取り組んでおり、 昨年11月以降に交雑子牛の供給を開始しているが、1頭当たり約17万円と短角子 牛の2倍近い価格で引き取られており、短角種の活路を拓く新たな方式として注 目されている。取り組みの特色と概要は次の通りである。 なお、5年は76頭(40戸)が交配済みであるが、6年は120頭と拡大の予定で ある。 (特色) 肥育経営体指定の兵庫系種雄牛を交配(まき牛繁殖)し、交雑子牛は 体重230kg(去勢)で173千円を基準として買い取られる契約生産方式で ある。 このため、農家は安心して取り組めるシステムとなっている。 (概要)
交配 | 分娩 | 販売実績(平成5年度) | |||
頭数 | 体重 | 価格(単価) | |||
19戸 52頭 (平成4年) |
40頭 (平成5年) |
去勢 | 21頭 | 265kg | 183,714円(697円) |
雌 | 19頭 | 231kg | 152,203円(661円) | ||
(肥育成績は平成7年夏頃判明) |