◎地域便り


フリーストール牛床の新資材ポリストール

(岩手県 戸田忠祐)


 フリーストール牛舎を選んだ酪農家の多くは、長持ちして経費も、乳房炎に罹
る危険も少なく、しかも気持ち良く牛が寝てくれる牛床を作り上げることに大変
な苦労をしている。

 このような体験を経た岩手の酪農家では、近年、無機質からなる新しい敷物素
材が使われ始めている。ポリピロピレンでつくられた米国産ポリストールがそれ
である。ポリストールは、2.44m幅で強度に富む白色の細い繊維で編まれており、
一方の端にはこの敷物を固定するためのプラスチックパイプを通す穴輪がとりつ
けられている。長さは各自のストールに合わせて注文することができる。

 これを使うベッドは、加熱乾燥させたオガクズを下層に敷き、これが硬く締ま
るのを待って、圧縮梱包状に成形したワラマットを重ねて敷き、その上をポリス
トールで覆って完成させる。国内におけるこの新素材導入の歴史は浅いが、耐用
年数の長さや、ベッド表面汚染の軽減などが実証されるならば、酪農家には注目
される情報となろう。


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