牛 肉・肉用子牛


◇グラフ1◇

◇グラフ2◇


牛 肉




10月の生産量 前年同月をわずかに上回る

 10月の生産量は、 3万6千852トン (1. 0%) と前年同月をわずかに上回った

 (図1)。 

  和牛は、 めす牛、 去勢牛ともにそれぞれ前年同月を上回り、 合計では1万4千

494トン (1. 3%) とわずかに上回った。 

  乳牛は、 めす牛がと畜頭数の減少から前年同月をやや下回ったものの (▲3.3%)、 

乳用肥育おす牛がかなりの程度上回ったため (6. 7%)、 合計では2万1千680ト

ン (2. 2%) とわずかに上回った。 

 乳おすの生産量が増えた要因は、 と畜頭数の増加に加え、 1頭当たりの枝肉重

量が7月以降、 前年同月に比べ2%程度上回っていることなどである。 



10月の輸入量 豪州産が大幅減

 10月の輸入量は、 5万2千502トン (▲6.0%) と今年3月以来7カ月ぶりに前

年同月をかなり下回った (図2)。 

 米国産は、 冷凍品から冷蔵品への需要のシフトが進み、 冷凍品の減少分を冷蔵

品がうめる形となり、 合計では2万6千694トン (1.6%) と前年同月をわずかに

上回った。 豪州産は、 9月下旬から10月にかけて大手パッカーが操業を停止した

影響で、 冷蔵品、 冷凍品ともに減少し、 2万3千525トン (▲15. 8%) と前年同

月を大幅に下回った。 

 冷蔵品の輸入量 (SG算定ベース) は2万9千629トン、 4月からの累計輸入量は

22万1千162トンで、 セーフガードの発動はなかった。 

 事業団の品目別輸入動向調査によると、 11月の輸入数量は5万7千トン (冷蔵

品3万1千トン、 冷凍品2万6千トン)、 12月は5万9千トン (冷蔵品3万4千ト

ン、 冷凍品2万5千トン)、 1月は冷蔵品、 冷凍品ともに12月に比べ大幅に減少す

るものと見込まれる。 



10月の推定期末在庫量 高水準が続く

 10月の推定期末在庫量は、 国産品、 輸入品ともに9月に比べて減少したものの、 

合計で9万3千530トン (6.9%) と引き続き9万トンを超える高い水準であった。 

 10月の推定出回り量は、 国産品、 輸入品ともに前年同月を上回り、 合計では9万

793トン (1.5%) とわずかに上回った (図3)。 



10月の国産枝肉卸売価格 総じて前年同月を下回る

 10月の省令価格 (東京市場) は、 1, 023円/kg (▲3.9%) と前年同月をやや下

回った (図4)。 

 去勢和牛のA5は、 高級牛肉の需要が弱いことなどから2,352円/kg (▲5.7%) 

と引き続き前年同月を下回ったものの、 量販店等からの需要が強いA3は、 1,474円

/kg (0.7%) と前年同月をわずかながら上回った (図5)。 

  乳用種去勢牛のB2は、 競合する輸入牛肉の出回り量が大幅に増加し、 かつ、 価

格が大きく低下していることから、 640円/kg (▲8. 4%) と前年同月をかなり下

回った。 一方、 交雑種去勢牛 (F1) のB3は1,280円/kg (6.2%) と前年同月をか

なり上回った。 

 11月の省令価格 (速報値) は、 1, 096円/kgであった。 



10月の輸入牛肉仲間相場 輸入減で豪州産反発

 10月の豪州産牛肉の仲間相場は、 現地パッカーの操業停止で輸入量が絞られたこ

となどから、 主力の冷蔵品グラスフェッド・フルセットが549円/kgと反発したが、 

引き続き前年同月を大幅に下回っている (▲10. 5%)。 

 北米産牛肉は、 冷蔵品フルテンダーロイン2,529円 (4. 9%)、 冷凍品ショートプ

レート (スライスレディ) 367円 (12. 1%) と値を上げる品目が多くなっている。 

本格的な需要期が終わったと見られる焼肉用チャックリブも、 冷凍品1,119円 (55.2%)、 

冷蔵品1, 127円 (20. 9%) と前月よりは値を下げたものの、 根強い固定需要に支え

られている。 

 11月に入ってからは、 需要期に入ったスライス用かたロース、 特に豪州産チャッ

クロールなどの値上がりが目立っている。 


肉用子牛


10月の黒毛和種の価格 前年同月をかなり上回る

 10月の黒毛和種の取引は、 頭数が2万2千963頭 (▲8.5%) と前年同月をかなり

下回った。 価格 (おす・めす平均) は37万1千円 (13.5%) と前年同月をかなり上

回った (図7)。 特におすは40万4千円と2カ月続けて40万円台に乗せている。 

 10月の主要市場の取引価格は、 岩手県中央家畜市場 39万7千円 (39.3%)、 宮崎

県都城地域家畜市場 37万5千円 (6.2%)、 鹿児島県曽於郡中央家畜市場 35万2

千円 (10. 7%) といずれも前年同月をかなり上回った。 



10月の乳用種の価格 前年同月を大幅に上回る

 10月のホルスタイン種の取引価格 (おす・めす平均) は8万2千円 (49.1%) と

前年同月を大幅に上回った。 一方、 乳用種ヌレ子の取引価格は、 3万1千円 (34.0

%) と前年同月を大幅に下回った。 


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