牛乳・乳製品


10月の生乳生産量 2カ月連続で前年同月を上回る

 生乳生産は、 回復基調に向かっており、 10月は70万1千431トン (2.7%) と先月

に引き続きわずかに前年同月を上回った (図1)。 地域別にみると、 北海道の伸びが

4.1%増と大きく、 都府県も今年度に入って初めて1.8%増とプラスに転じた。 

 1日当たりの生乳生産量の推移を季節調整済み値でみると、 5年春以降、 ゆるや

かに減少している。 

 牛群検定 ((社) 家畜改良事業団) の結果から、 北海道、 都府県の1頭1日当たり

の平均泌乳量をみると、 都府県では4〜6月まで前年を下回っていたが、 7月以降、 

前年を上回っており、 11月は、 25.2kg (4.6%) と前年同月をやや上回っている 

(速報値、 図2)。 北海道も7年1月以降、 前年を上回っており、 10月には25.9kg 

(3.6%) と前年同月をやや上回った。 



10月の飲用向け処理量 前年同月をわずかに下回る

 10月の飲用牛乳等向け処理量は、 秋晴れの多い、 穏やかな天候が続いたものの、 

45万3千273トン (▲0. 7%) と前年同月をわずかに下回った (図3)。 

 1日当たりの処理量の推移を季節調整済み値でみると、 6年秋以降は減少傾向にあ

る。 

 飲用牛乳等の生産量を品目別にみると、 牛乳が6月以降、 前年同月を下回っている

のに対し、 はっ酵乳は一般消費者の健康志向を背景に好調に推移し、 4月を除いて前

年同月を上回っている。 また、 乳飲料も今年度に入って初めて前年同月をやや上回っ

た (牛乳▲1.8%、 加工乳▲0.6%、 乳飲料4.3%、 はっ酵乳6.6%、 乳酸菌飲料▲9.7%、

 図4)。



10月の乳製品向け処理量 前年同月をかなりの程度上回る

 10月の乳製品向け処理量は、 生乳生産量が回復し始めたこと、 飲用牛乳等向け処理

量が前年同月をわずかに下回ったことから、 23万7千283トン (10.6%) とかなりの

程度上回った。 

 1日当たりの処理量の推移を季節調整済み値でみると、 5年夏以降減少し、 6年夏

を底にゆるやかに増加している (図5)。 



10月のバター 生産量は前年同月を大幅に上回る

 10月のバターの生産量は、 昨年が猛暑により乳製品向け処理量の水準が極めて低か

ったこともあり、 6千111トン (20. 2%) と前年同月を大幅に上回った (図6)。 

 推定出回り量は9千400トン (9. 4%) と前年同月をかなりの程度上回った。 

 9月の推定期末在庫量は、 3万800トン (▲29. 2%) で引き続き前年同月を大幅に

下回った。 

 大口需要者価格は、 弱保合で、 950円/kg (▲0. 2%) と前年同月並みになった。 



10月の脱脂粉乳 生産量は前年同月を大幅に上回る

 10月の脱脂粉乳の生産量は、 1万4千846トン (19. 4%) と前年同月を大幅に上回

った (図7)。 

 推定出回り量は2万200トン (15. 8%) と前年同月を大幅に上回った。 

 9月の推定期末在庫量は、 4万600トン (67. 4%) と前年同月を大幅に上回り、 増

加傾向で推移している。 

 大口需要者価格は、 1万3千562円/25kg (0. 8%) と前年同月並をわずかに上回る

とともに、 安定指標価格を5. 6%上回った。 


今月のトピックス


−牛乳の購入は、 日付を重視−


 消費者が普通牛乳を購入するときに最も重視するのは 「日付」 である。 これは畜産

振興事業団の平成6年度 「牛乳の小売価格及び牛乳・乳製品等の消費動向調査」 によ

るもので、 「日付 (86.0%) 」 に続いて、 「価格 (43.7%) 」、 「銘柄 (33.9%) 」 の順

となっている (図8)。 

 地区別にみると、 「日付」 がトップなのは共通しているが、 2番目にくるのは大阪

地区が 「価格」、 名古屋では 「銘柄」 と地方により重視するものが異なるのが興味深い。 


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