◎地域便り


トウキビ人形創作家酪農文化賞受賞

北海道 小林 守



 北海道酪農の父と称される米国人、 エドウィン・ダンと北海道酪農界先達である町村敬貴
両氏の功績を顕彰するため、 「財団法人ダンと町村記念事業協会」 主催の酪農文化賞の表彰
式が、 去る10月18日札幌市内のホテルで開催された。 

 この賞は、 酪農と農村文化の振興発展に貢献した人に贈られるもので、 昭和59年から始め
られ今回で10回目となる。 この間、 酪農青年の育成や酪農村の生活改善に尽くした人、 ある
いは、 北海道の牧歌的風景を詩情豊かに表現したグラフィックデザイナーや、 有名な乳牛や
牧童などの彫像を通じて北海道酪農界に芸術文化的影響を与えた彫刻家などに授賞してきた。 

 今回は、 永年にわたり女手ひとつで酪農経営と子女の養育にあたった美瑛 (びえい) 町の
瑳城幸さち子 (さじょうさちこ) さんが表彰された。 瑳城さんは、 苦難の道を歩みながらデ
ントコーンの包葉 (皮) などの農産物や草花を活用した手工芸品を創作、 さらに、 この技術
を広く普及して多くの農家生活に潤いとゆとりを与え、 作品が特産品として認められるなど
地域の活性化にも貢献してきた功績が評価されたもの。 

 表彰式には、 松田副知事をはじめ関係者約70人が出席した。 

 式は、 永澤悟理事長の挨拶で始まり、 選考経過報告、 功績紹介に続き、 瑳城幸子さんに表
彰状と酪農文化賞 (峯孝氏の彫刻による牧童ブロンズ像) が贈られた。 このあと瑳城さんか
ら 「これからも心豊かな農耕生活をトウキビ人形などの手工芸品の創作に託していきたい」 
との謝辞があって表彰式を終了。 引き続き祝宴に入った。 

 祝宴では、 関係者から受賞者を称えるスピーチがあったが、 松田副知事、 西尾元道義会議
長からは、 「このユニークな表彰制度を道内にもっと広く周知し、 青年、 婦人の功績を掘り
起こしてほしい」 と協会に対しての要望もあった。 


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