◎地域便り


ちょっと変わった育ちの豚肉、 ちょっと好評

岩手県 及川竹生



 岩手県立農業短期大学校では、 日頃の勉学の成果を発表し、 農畜産物・加工品などを販売
する 「農短祭」 を11月2〜3日に開催した。 

 今年の農短祭は、 冷たい雨が降りしきるあいにくの天気であったが、 悪天候にもかかわら
ず、 3千人の参観者で賑わい、 会場は各専攻ごとに自慢の商品を売ろうと熱いPR合戦の場と
なった。 

 畜産専攻コーナーでは、 例年、 牛の丸焼きをはじめ本校で生産した牛肉・豚肉・その加工
品の販売等を行ってきたが、 今年は、“新しい農短祭の目玉”として、 放牧して肥育した豚肉
の販売を試みた。 

 これは、 「放牧した豚肉を食べてみたい」 という学生の意見をきっかけに行われたもので、 
本校で生産した10頭の子豚を6月中旬から雑草が繁茂する校内の放牧場で放牧しながら肥育
した。 放牧された豚は食欲が旺盛で、 日がたつにつれ、 放牧場の雑草はあとかたもなくなっ
た。 また、 金網で区切った放牧場を簡単に脱走し、 自由に駆け回ったり、 足を上げて人にじ
ゃれたり、 しゃがんでいる人の背中に乗ろうとするなど舎飼豚では見られない行動を示した。 

  放牧した豚の肉質はきめしまりが良く、 豚肉特有の臭いも無く、 農短祭の前に行った職員
・学生による試食では上々の評価であった。 

 農短祭では、 放牧豚は、 予想外の好評を博し、 売れ行きはよく、 担当した学生の意気は大
いに盛り上がり、 新しい農短祭の目玉コーナーとして来年以降への自信をつけた。


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