◎地域便り


飼料のペレット化で破卵を防止

群馬県 後藤美津夫


 採卵鶏は産卵性や卵質の技術改良の結果、 生産能力が年々高くなり、 飼養管理技
術の向上で飼養羽数も増加している。 しかし、 規模拡大に伴い機械による集卵が増
えており、 破卵の発生が多くなっている。 破卵は市場性の低い規格外卵となるため、 
経営上大きな問題となっている。  そこで、 群馬県畜産試験場では採卵鶏の飼料の
選り好みが、 卵殻に影響を及ぼしていると考え、 平成5〜6年度に採卵鶏飼料ペレ
ット化試験を行った。 この結果、 栄養摂取の偏りを防ぎ、 弱い殻の発生を減らすこ
とができ、 破卵発生率が低下すると推測された。 
 
  飼料のペレット加工は90℃で熱処理加工されるので、 飼料の殺菌効果も高く、 サ
ルモネラ菌等の食中毒菌による汚染が防止でき、 消費者ニーズに合った安全な卵の
供給体制にも一役かっている。 

 ペレット加工により、 製造コストは割高になってしまうが、 消費者に安全な卵を
供給できること、 群飼育での増体のばらつきを減少できることなどから、 今後活用
できるものと考えている。 


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