群馬県 後藤美津夫
採卵鶏は産卵性や卵質の技術改良の結果、 生産能力が年々高くなり、 飼養管理技 術の向上で飼養羽数も増加している。 しかし、 規模拡大に伴い機械による集卵が増 えており、 破卵の発生が多くなっている。 破卵は市場性の低い規格外卵となるため、 経営上大きな問題となっている。 そこで、 群馬県畜産試験場では採卵鶏の飼料の 選り好みが、 卵殻に影響を及ぼしていると考え、 平成5〜6年度に採卵鶏飼料ペレ ット化試験を行った。 この結果、 栄養摂取の偏りを防ぎ、 弱い殻の発生を減らすこ とができ、 破卵発生率が低下すると推測された。 飼料のペレット加工は90℃で熱処理加工されるので、 飼料の殺菌効果も高く、 サ ルモネラ菌等の食中毒菌による汚染が防止でき、 消費者ニーズに合った安全な卵の 供給体制にも一役かっている。 ペレット加工により、 製造コストは割高になってしまうが、 消費者に安全な卵を 供給できること、 群飼育での増体のばらつきを減少できることなどから、 今後活用 できるものと考えている。
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