◎地域便り


優秀なあか牛の種雄牛誕生

熊本県 峯 英征


 種雄牛の産肉能力間接検定が終了し、 特に肉質で優秀な種雄牛2頭が選定された。
2頭とも父の祖先は資質に優れ、 脂肪交雑が期待できる重玉系統であり、 今後、 あ
か牛の肉質改良に大いに役立つと思われる。 

  現在、 熊本県には141,430頭の肉用牛が飼養され、 そのうち本県特産のあか牛は
54,053頭いるが、 年々減少傾向にある。 今回の優秀な種雄牛の出現は生産者にとっ
て久しぶりの明るい材料といえる。 

  「光玉波」 は、 平成3年7月8日阿蘇郡阿蘇町に生まれ、 父は第五玉波、 母は育
種高等登録牛、 母方祖父は球光系統の第二光泉である。 

 現在、 体高150.5cm、 体重968kgの堂々たる肉牛タイプで間接検定の成績では終了
時体重が703kg、 DGは1.05kg、 ロース芯面積40.78平方センチメートル、 BMS (脂肪
交雑) 2.0の素晴らしい成績であった。 

  「波丸ET」 は、 熊本県農業研究センター畜産研究所のドナー牛からの受精卵移植
により平成2年5月7日阿蘇郡南小国町で生まれ、 父は肉質が優れ人気の高い波丸
を交配し、 母方祖父は第三重川で父と同じ重玉系である。 

 現在、 体高145.0cm、 体重810kgと稍体積は小形であるが間接検定成績では終了時
体重668kg、 DG0.98kg、 ロース芯面積45.11平方センチメートル、 BMS1.9と肉質面
で立派な成績を示している。 今回の成績を見ると2頭とも脂肪交雑が特に優れてい
る点が特徴である。 

 現在、 褐毛和種種雄牛としては 「光重ET」、 「第十光丸」、 「波丸」 などが活躍中で
あるが、 これを上回る成績を示し後継牛として関係者から早くも熱い期待が寄せら
れている。 


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