◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

50頭で1千万円酪農を目指す

(北海道 黒沢 不二男)

 


  このほど、 北海道勇払郡鵡川町の東胆振地区普及センターでは、 「酪農経営
基盤促進法」 に係る地域農業経営の目指すべき指標 (経営モデル)を策定した。 
B4版200ページに及ぶ大冊で、 内容は基本10類型とそのバリエーションとして
多様な作目別指標を示している。 
 
 畜産では、 酪農2タイプ、 肉用牛4タイプが示されているが、 地域の農業実
態を反映し、 今後も主体になると予測される 「酪農専業 (スタンチョン方式)」
の50頭タイプの概要を紹介する。 
 
 このタイプの特徴は、 既存のスタンチョン・パイプラインを活用しながら、 
約20haの採草地・飼料作物畑を集約的に利用し、 単位当たりの生産性向上 (経
産牛1頭当たり乳量8, 000キロ) とコストの低減を図ることを目指す点にある。 
 
 オートフィーダーやコンクリートパネル方式バンカーサイロを導入、 ロール
パックサイレージ、 とうもろこしサイレージの通年給与体系をとる。 牛ふんは
バーンクリーナーで舎外へ排出、 毎日圃場へ運搬堆積するシステムを採用して
いる。 
 
 そのほか、 大型機械の共同利用や公共牧場や酪農ヘルパーを満度に利用する
ことで、 コスト低減と省力、 「ゆとり」 の創出を図っている。 その結果、 962万
円と1千万円近い農業所得を確保し、 家族労働 (換算) 1人当たり1,700時間
弱、 月5日の休日を実現することとしている。 



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