◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

陸中牛の保留に江刺市が補助

(岩手県 広野久朗)

 


  江刺市は、 評価の高い 「陸中牛」 の主要産地だが、 価格の低落、 担い手の
減少や生産者の高齢化の進展等から、 産地を担う後継牛の確保が課題となって
いる。 
 
 そのため、 市では、 管内で生産される黒毛和種の子牛を優良繁殖基盤雌牛と
して管内保留を奨励し、 陸中牛の高品質牛肉生産と産地拡大を図るため 「陸中
牛優良繁殖雌牛管内保留奨励事業」 を平成6年度に創設した。 この事業は、 JA
江刺市の組合員が黒毛和種の優良繁殖雌牛を、 自家保留又は導入した場合に市
が補助金を交付する仕組みで、 JA江刺市を通じて経費の2分の1以内で、 優良
繁殖雌牛1頭につき15万円を限度として補助する。 平成6年度から5カ年で年
間100頭を計画している。  事業の対象牛は、 江刺市内産の黒毛和種で生後6
カ月齢以上12カ月齢未満の繁殖用雌牛とし、 血統等の証明書を有していること、 
父牛は菊谷号、 恒徳号等のJA江刺市が指定する種雄牛で、 育種改良条件を備え
ていること等を条件にしている。 
 
 補助金の交付条件は、 対象牛を導入後5年間善良な飼養管理をするとともに、 
畜産経営計画に基づき維持又は増頭に努めながら、 5年間で1産は胆江和牛改
良協会又はJA江刺市が行う試験交配事業等に協力することとなっている。  

元のページに戻る