◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

フル操業で配合飼料供給確保

(愛知県 林 知孝)

 


  阪神大震災により神戸地区の配合飼料工場は操業停止となっており、 被災地
周辺への配合飼料の安定供給等が心配されている。 関西地区に比較的近い愛知
県内の配合飼料工場では、 被災地周辺での飼料供給に支障が生じないよう増産
体制を取り、 対応している。 
 
 今回の地震で大きな被害を受けた神戸地区には配合飼料工場が6つあるが、 
地震で各工場の施設等はかなりの被害を受けており、 製造、 出荷ができない状
況で、 復旧のめどは立っていないとのことである。 
 
 通常では6工場合計で月産約7万5000トンの配合飼料を生産し、 製品は兵庫
県内はもとより京都、 奈良、 鳥取等周辺の府県にも相当量が出荷されているた
め、 神戸地区の配合飼料生産停止は、 被災地ばかりでなく、 周辺の畜産農家へ
の飼料供給に大きな影響が懸念された。 
 
 愛知県は全国の配合飼料生産量の約10%を占める全国屈指の生産県であるが、 
今回の被害を受けた神戸の工場と同系列の県内のメーカーは、 被災地周辺への
飼料供給に支障が起きないよう、 神戸工場での生産が回復するまでの間、 生産
を振り替えて増産体制を取るなどの緊急対応を実施している。 それでもなお生
産が追いつかない場合には、 他メーカーに製造を委託するなどメーカー間の調
整も行われている。 あるメーカーの担当者は、 「連日フル操業を行っており、 
必要量は確保できる見通しで、 畜産農家に”えさ”が届かないということはま
ずないだろう」 と話している。  一方、 配合飼料の関西地域への輸送は遠距離
輸送になる上、 被災地を通過する場合は交通規制等の影響で著しい渋滞となっ
ており、 通常に比べ非常に時間がかかることなど製品輸送に大きな支障が生じ
ている。 このことは、 運賃のコストアップにもつながるが、 畜産情勢が非常に
厳しい折、 各メーカーはできるだけ畜産農家への負担が増加しないよう配慮し
ていきたいと話している。 
 

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