◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

「伊予牛 絹の味」 の定着をめざして

(愛媛県 河井一夫)

 


  現在、 消費者の関心は、 第一に 「健康」 であり、 特に食品に対しては、 高い
品質と安全性が強く求められている。 牛肉においても同様で、 品質、 安全性の
ほか、 飼育環境、 生産者などを明確に伝え、 供給に対する責任を明らかにする
ことが不可欠と考えられる。 そこで愛媛県経済連では、 そのようなコンセプト
の牛肉を広く消費者に提供するため、 県内産牛肉の新しいブランド 「伊予牛 
絹の味」 を開発した。 銘柄推進活動は、 平成4年11月より進めており、 消費者
及び販売業者への認知度を向上させていくことを中心に進めてきた。 特に平成
5年度は試食キャンペーンを皮切りに、 さまざまな方策をとり、 消費者及び販
売店での反応を探ってきた。 その中で、 賞味評価は良いものの 「絹の味」 がど
こで販売されているかがわかりにくいことや、 販売店で詳細な情報が、 販売担
当者まで行き渡っていないことなどが判明した。 ただ、 試食キャンペーンの効
果は高いので、 販売意欲の向上に結びつくような方策であれば、 今以上の販売
協力が得られる確率が高いようである。 
 
  6年度はこれらの課題解決に向けたブランドコミュニケーションの展開に取
り組んでいる。 認知向上だけでは販売拡大は難しく、 また販売店の意欲的な姿
勢、 販売担当者の理解なくしては銘柄の定着化は不可能である。 このため消費
者がいつでも 「絹の味」 を購入できるモデル店 (10店舗) を認定し銘柄牛の評
価の波及効果を狙っている。 今後、 「絹の味」 を定着させるか否かは消費者に
対するきめ細かい対応を、 生産者と販売者サイドが連携して、 それぞれの役割
をいかに果たすかにかかっている。 生産者も積極的に参画する中で 「絹の味」 
が一日も早く県内産品として想起され、 一人歩きできるように効果的な消費宣
伝活動の展開を進めて行くことが重要であろう。 

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