◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

県内3番目の 「雫石町和牛育種組合」 発足

(岩手県 西村信介)

 


  昨年11月、 岩手県雫石町和牛育種組合が、 社団法人全国和牛登録協会の認定
を受けて、 胆たん江こう、 花はな北きたに次いで県内で3番目の育種組合とし
て発足した。 雫石町は、 盛岡市の西方に位置し、 「小岩井農場」 や一昨年のス
キーワールドカップの開催地として全国的に有名である。 また、 古くから南部
駒の産地として全国に知られた地域であったが、 戦後、 広大な牧野と草資源を
活用した黒毛和種の生産が始まった。 昭和30年頃から黒毛和牛生産の先進地の
兵庫県、 島根県等から繁殖基礎雌牛を導入し、 「南部牛」 の銘柄確立の中心的
役割を担ってきた。 
 
  同町の改良組合は、 49年から52年に町内の4つの農業協同組合がそれぞれ改
良組合を組織し、 全国和牛登録協会の認定を受けたのがそもそもの始まりであ
る。 60年にこれらが統合して 「雫石町和牛改良組合」 となり、 平成2年に 「雫
石町和牛準育種組合」 となった。 このように改良組織の強化を図りながら、 雫
石町は県内有数の和牛生産地帯となってきた。 
 
  今回の 「準育種組合」 から 「育種組合」 への昇格で、 発足した 「雫石町和牛
育種組合」 の目標は、 質量兼備の種雄牛の造成に併せて基礎種雌牛の増殖を推
進し、 同町の育種制度を確立することである。 
 
  平成9年に本県で全国和牛能力共進会が開催されることもあり、 同組合が本
県中北部における黒毛和種の改良の中核として今後も大きく貢献するものと期
待される。 

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