この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
霧島連山高千穂峰のふもとにあり、 「神武の里」 として町づくりを進めてい る宮崎県高原町は、 農業粗生産額の64%を畜産が占めている。 中でも、 肉用牛 は飼養頭数が約 13,000頭で、 畜産粗生産額の50%を占め、 畜産の主軸になっ ている。 肉用牛生産の環境が厳しい中で、 同町では21世紀を目指した肉用牛生産の基 盤強化を図るため平成2年度に設立された 「高原町21世紀宮崎牛づくり生産組 合」 が活発な活動を展開している。 同組合は、 県の新生産技術による21世紀宮 崎牛生産基盤づくり事業の助成金等を活用して、 胚移植利用による肉用牛生産 を行っている。 平成2年度から始まった胚移植は、 5年度までに130 頭に施され、 受胎率が 52%と県平均の49% (県優良家畜受精卵総合センターの供給卵) を上回る成績 をあげている。 また、 組合員が当初12名であったが、 現在では、 肉用牛繁殖農 家17戸、 肥育農家1戸、 酪農家14戸、 計32名と増えており、 組合員の中に胚移 植ができる家畜人工授精師が4名いるなど、 確実に胚移植技術が拡大、 定着し てきている。