この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
宮崎県都つ農の町で繁殖用和牛60頭、 肉用肥育牛200頭の一貫経営を行う黒 木学さん (43才) は、 平成5年度に全国肉用牛協会主催九州・沖縄ブロック 肉用牛経営コンクールで発表したり、 平成6年度に宮崎県畜産共進会の肉牛 枝肉の部で見事、 優等3席に入賞し、 枝肉格付4等級以上の比率も約70%と 優秀な経営である。 その裏には昭和49年に畜産経営に従事して以来、 その時 々の肉用牛情勢に対応するよう経営を転換しながら試行錯誤を繰り返してき た姿がある。 牛肉の輸入自由化決定を機に安定的な生産体系の確立を求め、 現在のよう な一貫経営に本格的に取り組んだのは平成元年である。 現在、 高品質牛生産 のために細かい個体管理はもちろん、 ビタミンAの給与時期や量を考慮した 飼料配合の研究には余念がない。 さらに産子の肥育成績が優れた雌牛から卵 を採取するなど、 胚移植技術にも積極的に取り組んでいる。 黒木さんは 「肉牛を出荷して格付の決まる日は、 朝からソワソワする」 と 話している。 自分が真剣に取り組んできたことが評価される時は、 誰しも期 待や不安で落ちつかないものである。 しかし、 人はその度に新鮮な気持ちに なり、 さらに上位を求め奮起するものであろう。 そういう気持ちを持ち続け ている黒木さんに21世紀の宮崎牛づくりのため、 活躍を期待したい。