◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

強害帰化雑草 「アレチウリ」 の効果的な防除法

(岩手県 村上 勝郎)

 


  各地で被害が報告されている帰化雑草 「アレチウリ」 が平成5年頃から、 岩
手県の中央部でも、 とうもろこし畑に発生し、 とうもろこしの茎に巻き付き、 
収穫作業に支障を来すこととなった。 そこで、 岩手県畜産試験場では、 市販の
除草剤を応用したアレチウリの防除法を開発し、 普及することとなった。 
 
  アレチウリは、 北米原産のウリ科1年草で、 つる状の茎が数メートルの長さ
となり、 長卵形、 偏平でブドウ状の果実表面に鋭い刺がある帰化雑草である。 

  本県では6月から8月に発芽するが、 7月までに発芽したアレチウリは1万
個の種子を産する。 今回、 開発された防除法は、 とうもろこしの茎を折損させ
ずに十分な収量を確保し、 しかもアレチウリの蔓延を防止することに主眼を置
いている。 具体的には、 とうもろこしの生育初期の4葉期 (アレチウリ2〜4
葉期) に除草剤アトラジン水和剤 (10アール当たり200t) を500倍に希釈して
散布する。 除草剤の薬効が切れた後に発芽するアレチウリについては、 とうも
ろこしに巻き付く前に茎を切るか、 抜いて手取り除草を併用する。 
 
  アレチウリの県内への侵入経路は、 明らかにされていないが、 その被害は県
全体に拡大する恐れがあることから、 畜産試験場では、 この防除方法を現地に
普及していくことにしている。 

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