◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

試行錯誤の養豚界

(群馬県 千木良 勝美)

 


  平成6年9月までは比較的順調に推移した豚価も10月の声を聞くや否や、 一気
に下降線を辿り、 10月末から調整保管が発動され、 その後も低迷している。 
 
  群馬県内では、 養豚農家戸数が毎年 100戸前後減少してきているが、 その大き
な要因は、 「豚価が安く、 先行き不安」、 「公害問題と後継者不足」 などであり、 
その対応が緊急の課題であると、 養豚農家はじめ関係者は苦慮している。 
 
  その一方、 生き残りを懸けた生産者は、 1母豚当たりの年間生産頭数目標を23
頭とすべく技術レベルの向上、 飼養管理・衛生管理の再点検を行い、 加えて消費
者や流通業者のニーズにマッチした豚肉作りに真剣に取り組んでいる。 
 
  また、 有利販売をめざして、 地域ぐるみでの銘柄化を成功させるため、 養豚農
家婦人による地域内での豚肉注文取りや配送を始めた生産者組織の出現や種豚を
同一系統化した銘柄豚生産グループが組織化され、 生産された豚肉の消費拡大・
販売促進のためのポスター等の資材の作成を積極的に行うなど大きく様変わりし
ようとしている。 
 
  このような中、 養豚農家指導や豚肉流通の一端を担っている経済連や食肉市場
では、 県内産豚肉の資質向上と販売対策を強力に推し進めるべく、 種畜生産から
肉豚出荷までを包括的にカバーする 「高品質豚生産販売事業」 や 「地域銘柄豚流
通体制整備事業」 を実施したり、 食肉市場直営店による販売拡大に力を入れてい
る。 
 
  今後とも、 競争に打ち勝ち、 養豚経営の継続に希望が持てるように、 群馬県で
は関係者が一体となり、 知恵を出し合い、 この難局を乗り越えるため奮闘してい
る。 
 

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