| この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
(鹿児島県 本山 夕起子)
｢やんかぶい｣ とは鹿児島弁で手入れをせずにボサボサしている様子､ ｢べっ ぴん｣ とは美人のことである｡ 鹿児島県姶あい良ら郡福山町で､ 市場に出す子牛を少しでも美しくして､ 商 品価値を高めることをねらいに､ このほど ｢和牛手入れ競技会｣ が昨年に引き 続き開催された｡ これは､ 全身の毛を切りそろえたり汚れを落としたりする､ いわば牛の ｢美人コンテスト｣ であり､ 地区ごとに３人１組のチームをつくり 計７チームの ｢美容師｣ たちが牛の ｢ヘアカット｣ に挑んだ｡ 町役場の担当者が用意した体重400㎏前後の育成牛７頭は､ いずれも見事に ｢やんかぶった｣ 牛ばかり｡ はさみ､ かみそり､ 金ぐし､ ブラシを使い､ 頭､ 耳など全身の体毛を切ったり､ 毛並みをそろえたり､ 全員汗だくになりながら ､ 制限時間30分内で､ 見事な ｢べっぴん｣ 牛に変身させた｡ せっかくきれい にしたのに途中で ｢おもらし｣ してわが身を汚す勝手な牛もいた｡ また､ 女 性だけで参加したレディースチームの３人組は､ ｢手入れはいつもは夫まかせ､ 意外と難しい｣ と一生懸命であったが､ 残念ながら入賞はならなかった｡ 引き続き行われた畜産振興大会では､ 昨年１年間で子牛販売価格が最高だっ た ｢おらが一番賞｣ の表彰や講演会など､ ｢和牛のふるさと福山町｣ は一日中 賑やかな生産者の声で包まれた｡