◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

都市型農業を支援する「サッポロさとらんど」 オープン

(北海道 鎌田 実)

  札幌市農業体験交流施設 (愛称サッポロさとらんど)の1期事業(140億円)
が完成し、 7月22日にオープンした。 
 
  この事業は、 「都市と農業の共存」を目的に札幌市が平成4年から整備を進
めているもので、 平成12年までの3期計画で段階的に整備を行う。 全体計画
面積は約100ha、 事業費は約280億円を見込んでいる。 
 
  今回オープンした第1期事業分の40haは、 交流ゾーン・生産支援ゾーン・
酪農ゾーンの3つのエリアから成る。 中心となる交流ゾーンの管理運営は、 
市の委託を受けて第3セクターの (財) 札幌市公園緑化協会が担当している。 
 
  交流ゾーンの中核がセンターハウスで、 ここは、 バターやウィンナーなど
の手づくり体験ができる各種加工室、 パソコンやワープロによる農業クイズ
や学習のできる情報室、 レストランなどを備えた施設となっている。
 
 また、 「ふれあい牧場」 も設けられ、 ウサギやヤギ等の小家畜に自由に触
れることができるほか、 馬や幌馬車に乗ることもでき、 子供たちの人気を集
めている。 さらに、 収穫体験のできる体験農園や市民農園もあるほか、 木製
遊具や小川・池等のある約7haの芝生広場が広がっており北海道の雄大さを
満喫できる。
 
 生産支援ゾーンは、 市の農業指導センターと関連施設を配置し、 生産技術
のレベルアップ、 新技術の開発、 情報の活用、 有機農業の普及を目的に都市
型農業確立のための支援施設となっている。 

  「ミルクの郷」 の愛称を持つ酪農ゾーンは、 地元の酪農農協が運営する。 
年間5万tの牛乳をはじめ、 各種乳製品の製造工場がほぼ完成し、 来春から
これらの製造過程を見学することができる。
 
 また、 20頭程度の牛を飼育し、 模擬搾乳や手しぼり体験のできる「牛の館」、 
手づくりで生産するバター、 チーズ、 アイスクリーム、 ハム・ソーセージ等
の伝統的製造過程を見学できる 「手づくり工房・まきば舘」 も間もなく完成
する。 

 「サッポロさとらんど」 は、 市の中心部から約9kmの地点にあり、 7月22
日のオープン以来多くの来場者を迎えている。 年間入場者数を25万人と見込
んでいたが、 開園後2ヵ月ですでに30万人を突破している。 
 

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