◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

四国カルスト大野ヶ原牧場の越冬牛舎改修を開始

(愛媛県 古茂田 忠典)

  日本3大カルストの1つである四国カルストは、 愛媛県南東部および高知
県北西部に位置する5町村にまたがる標高1,000m〜1,500mの高原で、 大野ヶ
原、 姫鶴、 大川嶺の3牧場がある。 各牧場は、 昭和46年〜55年度に国営草地
開発事業、 国営草地開発付帯事業により造成されたものであり、 このうち、 
大野ヶ原牧場は、 低コスト生産による安定した大家畜畜産経営の確立と地域
畜産振興の中核基地として位置づけられており、 県内一円から預託される乳
用牛の大部分を育成する公共預託育成牧場である。 

 越冬施設では、 牧場内に昭和51年に設立されて以来、 周年預託体系の中で
冬期間 (11月〜4月) の飼養施設として年約200頭が飼養されている。 しか
し、 施設の老朽化等により尿だめ槽への雨水の流入や、 運動場等のふん尿が
雨水に混じって流出したり、 草地還元時に悪臭が発生するなど、 牧場の管理
運営上、 家畜ふん尿処理施設の改善が必要となった。 このため、 本年度、 約
2千3百万円の総工費をかけ、 運動場の改修、 尿だめ槽の設置、 排水路工事、 
バーンクリーナーの導入など、 ふん尿分離による処理の効率化を狙った大掛
かりな改修工事が急ピッチで進められている。 

 本施設の改修は、 畜舎周辺の環境保全に役立つだけでなく、 ふれあい牧場
などを目指した将来の牧場機能の拡充強化を図るための第1歩であり、 地域
住民並びに関係者の大きな期待が寄せられている。 
    

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