☆ 事業団レポート


豚肉等に係る緊急措置の発動について
 

企画情報部情報課            
          


1 緊急措置の発動
 
  
  大蔵省は、 10月31日、 平成7年4月1日から9月30日までの豚肉等の輸入数量が、 
豚肉等に係る関税の緊急措置 (SG:セーフカード) 発動の基準となる数量を越えるこ
ととなったので、 関税暫定措置法の規定に基づき、 平成7年11月1日から平成8年3
月31日までの間、 基準輸入価格を引き上げることを内容とする緊急措置を発動すると
告示した。 

 本年度の豚肉の輸入量は、 7月には過去最高の輸入量(部分肉ベースで58,446トン)
を記録する等、 チルド、 フローズンいずれも前年を大きく上回って推移し、 加工品等
を含めたSG対象品目の年度当初から第2四半期末までの輸入量は、301,151トンと、緊
急措置の発動基準数量を14,936トン上回った (対前3ヵ年125%)。
 
 今年、 国内生産は、 長期的な母豚の飼養頭数の減少に加え、 昨年の猛暑による繁殖
成績の低下や、 本年の梅雨明け以降の猛暑の影響を受けて生産性が低下し、 国内生産
量が著しく減少してきた。 

 一方、 需要をみると推定出回り量が前年並みの水準で推移しており、 生産量の減少
傾向に不安をもつ業界の思惑等により、 国内生産量の減少を補うに余りある輸入が行
われ、 SGの発動を招く結果につながったと見られる。
 
 なお、 11月以降の輸入量は、 基準輸入価格の引き上げに加え、 国内生産量の回復や
、 これまでの輸入増による在庫量の急増から、 特にフローズンの輸入が平常時よりも
少なくなると見込まれる。
2 緊急措置の概要
(1)豚肉等に係る関税の緊急措置の概要 (関税暫定措置法第7条の6第1項) 

@  各年度の初日から各四半期 (第1四半期から第3四半期まで) 末日までの輸入量
 が、 前年度までの過去3年度における同期間の平均輸入量の119%を超えた場合に
  は、 当該年度内の基準輸入価格等を譲許水準まで引き上げる。
 
A 各年度の輸入量が、 前年度までの過去3年度における平均輸入数量の119%を超
  えた場合には、 翌年度の第1四半期の基準輸入価格を譲許水準まで引き上げる。 
 (今回の発動は@の要件によるもの) 

(2)発動内容

@ 発動の期間 平成7年11月1日から平成8年3月31日まで


A 輸入基準価格の引き上げ (部分肉)  613.34円/kg → 759.30円/kg
  (分岐点価格の引き上げ (部分肉) )  584.69円/kg → 723.83円/kg

B 緊急措置の対象

  
関税番号 (HS)
豚肉 くず肉等
(生鮮・冷蔵、冷凍)
くず肉等
(塩蔵、乾燥、くん製等の調製品)
ハム・ベーコン等
生鮮・冷蔵 冷蔵
0203.11-020 0203.21-020 0206.30-093 0210.11-010 1602.41-011
      030             030              092              020              019
            040             040              099 0210.12-010 1602.42-011
0203.12-023 0203.22-023 0206.49-093              020              019
            021             021              092 0210.19-010 1602.49-210
            022             022              099              020              220
0203.19-023 0203.29-023 0210.90-011
            021             021              019
            022             022


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