● 6月の生産量
前年同月をかなり下回る
6月の国内生産は、 と畜頭数が124万頭 (▲10.9%) と減少し、 生産量も、 と
畜頭数の減少を受けて、 6万5千061トン (▲10.9%、 図1) となった。
平均枝肉重量 (全国平均) は、 8年2月から5月まで枝肉相場が前年同月を大
きく上回って推移するなど、 好調であったこともあり、 前年をわずかに下回って
推移してきたが、 6月は、 枝肉相場が前年をやや下回ったこともあり、 75. 1kg
(▲0.1%、 図2) と前年同月並みとなった。
● 6月の輸入量
過去最高を更新し14万5千トン
6月の輸入量は、 14万5千454トン (244.5%、 図3) と過去最高を更新した。
内訳は、 冷蔵品が1万6千300トン (15.8%)、 冷凍品は12万9千154トン (358.8
%) である。
基準輸入価格の引き下げ等により、 4月から輸入量は前年同月を大きく上回っ
ており、 特に加工向けの需要が高い冷凍品は、 7月からのSGの発動を見越した在
庫手当てから急増し、 6月は前年同月の約4.6倍の輸入量となった (図4)。
冷蔵品も、 冷凍品ほどではないが、 前年同月をかなり大きく上回った。
国別にみると、 従来は冷蔵品輸入の割合が高かった米国が、 冷凍品の輸入を前
年同月の約11.2倍と大きく伸ばし、 これと前年同月をかなり大きく上回った冷蔵
品との合計は、 2万5千866トン (232.2%、 図5) となった。
一方、 従来から冷凍品の輸入割合が高い台湾は、 4月と5月の自主的な計画出
荷も終了し、 6月は冷凍品の輸入を前年同月の約2.7倍と大きく伸ばした。 この
結果、 前年同月をかなり上回った冷蔵品との合計は4万5千675トン (113.9%)
となった。
冷凍品の輸入は、 デンマークが前年同月の約5.3倍、 カナダは約3.6倍と増えた
他、 オランダ等豚肉輸入が可能な国からの輸入が軒並み増加した。
● 6月の推定出回り量
前年同月並みとなる
6月の推定出回り量は、 12万412トン (▲0.2%、 図6) となった。 内訳は、 国
産品が6万2千392トン (▲16.2%)、 輸入品が5万8千20トン (25.4%) である。
国産品は、 これまで、 生産量の減少を受けて、 前年同月を下回って推移してお
り、 6月も生産量がかなり減少したことに加え、 少量ではあるが在庫手当てに回
った分もあり、 前年同月を大幅に下回った。
一方、 輸入品は、 輸入量の急増もあって、 国産品出回りの減少を補うように前
年同月を大幅に上回った。
● 6月の期末在庫量
輸入品は27万トン台
6月の推定期末在庫量は、 28万8千929トン (211.0%、 図7) となった。 内訳
は、 国産品が1万6千411トン (3.4%)、 輸入品は27万2千518トン (253.8%)
である。 国産品は生産量の減少を受けて、 7年5月以降、 前年同月を大幅に下
回って推移してきたが、 6月は、 5月より3千トンの積増しとなり、 前年同月を
やや上回った。
一方、 輸入品は、 SGの発動を見越した在庫の積増しが進み、 前年同月の約3. 5
倍と大きく膨らんだ。
● 6月の国産枝肉価格
前年同月をやや下回る
6月の卸売価格 (東京市場・省令) は、 539円/kg (▲3.1%) となった (図8)。
輸入冷蔵品が市場に潤沢に出回ったと見られ、 9カ月ぶりに前年同月を下回った。
7月の卸売価格 (速報値) は、 570円 (11.1%) となった。 生産量がかなり減
少したことに加え、 SGが発動され、 基準輸入価格が約24%引き上げられたことか
ら、 冷蔵品の輸入が6月までの輸入量に比べて、 減少したと見られ、 前年同月を
かなり大きく上回った。
6月の国産豚肉の仲間相場は、 すべての部位が前年同月を上回った。 冷凍品は
絶対量の不足から依然高値が続いているが、 輸入冷蔵品と競合する国産冷蔵品は
落ち着いてきた。
特に加工用としての需要が高い冷凍品 「うで」、 「もも」 が、 依然好調で、 前年
同月を大幅に上回った (それぞれ、 25.9%、 25.8%、 図9)。
● 6月の輸入豚肉仲間相場
ヒレ肉は依然好調
6月の冷蔵品輸入豚肉の仲間相場は、 輸入量が大きく増加したものの、 米国、
台湾の原産地相場の高騰等から、 引き続き、 全ての部位で前年同月を上回った。
テーブルミート需要が強い米国産 「ロース」 は846円/kg (25.8%、 図10) と
高騰した。 また、 「ヒレ」 も、 米国産、 台湾産いずれも、 前年を大幅に上回った
(それぞれ、 36.1%、 32.6%)。
冷凍品も、 輸入量の大きな増加から、 一時の堅調感はなくなったものの、 総じ
て前年同月を上回った。 加工向けが中心となる台湾産の 「うで」 が25.4%、 「も
も」 は26.0%と、 依然前年同月を大幅に上回った (図11)。
また、 好調な 「ヒレ」 も、 各国産とも前年同月を30.4%〜46.7%上回った。
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