豚 肉

豚 肉

● 10月の生産量

前年同月をわずかに下回る  10月の国内生産は、 母豚の飼養頭数の減少などから、 と畜頭数が153万3千頭 (▲2.1%) となった。 生産量も、 と畜頭数の減少を受け、 8万1千355トン (▲1. 0%、 図1) となった。  平均枝肉重量 (全国平均) は、 75.8kg (1.2%、 図2) となった。
◇図1:豚肉の生産量◇
◇図2:豚の平均枝肉重量◇

● 10月の輸入量

年度SGトリガーレベルまで8万トン  10月の輸入量は、 4万1千743トン (▲63.7%、 図3) であった。 7月からセ ーフガード (SG) が発動されたことと、 また、 昨年10月がSG発動前の在庫確保な どにより輸入量が著しく増加したことなどから、 前年同月比は極めて低い水準と なっているが、 前月と比べると、 約1万4千トン増えている。  内訳は冷凍品が、 2万6千348トン (▲72.2%、 図4)、 冷蔵品は、 毎月一定量 の需要があることから、 1万5千395トン (▲24.2%) である。  国別にみると、 米国産は、 冷蔵品・冷凍品とも前年同月を大幅に下回り (それ ぞれ▲25.8%、 ▲71.8%)、 合計では、 1万54トン (▲50.6%) となった (図5)。  台湾産も、 冷蔵品・冷凍品ともに前年同月を大幅に下回ったが (それぞれ▲28. 3%、 ▲46.8%)、 冷凍品は、 1万6千902トンと、 前月よりも9千507トン増えた。 合計では、 2万4千177トン (▲42.3%) となった。  この他では、 近年対日輸出に力を入れている韓国産が2千887トン (24.4%)、 4〜10月累計では2万6千367トン (193.7%) と著しい伸びを示している。  本年度の累計輸入数量 (SG算定ベース) は、 既に51万2千949トンに達し、 年 度SGのトリガーレベル59万4千トンとの差は、 8万1千51トンとなった。
◇図3:豚肉の輸入量◇
◇図4:冷凍、冷蔵品別豚肉輸入量◇
◇図5:豚肉の国別輸入量◇

● 10月の推定出回り量

前年同月をわずかに上回る  10月の推定出回り量は、 13万8千872トン (1.6%、 図6) となった。  国産品が8万2千341トン (0.4%) と前年同月並み、 輸入品が5万6千531ト ン (3.4%) となった。  家計購入量 (1人当たり) は、 8月に前年同月を4.2%上回ったが、 9月は395 グラム (0.2%) となった。 これは、 O−157の影響などによる牛肉の代替需要が 弱まったことなどから、 平年並みに戻ったものと見られる。 加工仕向肉量は、 枝 肉高から国産の手当てが大幅に減り、 合計でも3万3千408トン (▲8.7%) と8 月に引き続いて、 前年同月をかなり下回っている。
◇図6:豚肉の推定出回り量◇

● 10月の期末在庫量

引き続き高い水準  10月の推定期末在庫量は、 21万720トン (33.1%、 図7) となった。  国産品は、 1万6千152トン (32.7%)と前年同月を大きく上回った。  輸入品は、 SG発動前に輸入された在庫が積み上がっているため、 19万4千568 トン (33.1%) と、 依然、 高水準にある。 しかし、 6月の27万2千トンをピーク に徐々に減少してきている。
◇図7:豚肉の推定期末在庫量◇

● 10月の国産枝肉価格

前年同月をかなり上回る  10月の卸売価格 (東京市場・省令) は、 421円/kg (6.3%) となった (図8)。 前年同月をかなり上回ったのは、 生産量が減少傾向にある中で、 SG発動による輸 入量の減少などが要因と見られる。  11月の卸売価格 (速報値) は、 出荷頭数の増加等から断続的に値を下げ、 一時 的には390円を割ったが、 月平均では398円/kg (▲5.5%) となった。
◇図8:豚肉の卸売価格(東京・省令)◇

● 10月の国産豚肉仲間相場

うで、 ももが前年同月を下回る  10月の国産豚肉の仲間相場は、 冷蔵品・冷凍品ともに、 ロイン系は前年同月を 上回っているものの、 これまで、 1年以上前年同月を上回っていた 「うで」 「も も」 などのすそものが逆に下回った。 前月と比べると、 全品目が値を下げている。  冷蔵品は、 「ロース」 が1,044円 (11.1%)、 「ヒレ」 が1,412円 (14.9%) とな った。  冷凍品は、 「うで」 が444円 (▲4.3%)、 「もも」 が、 527円 (▲1.3%) となっ た (図9)。
◇図9:国産豚肉の仲間相場(冷凍品)◇

● 10月の輸入豚肉仲間相場

冷凍品すそものが引続き前年同月を下回る  10月の輸入豚肉冷蔵品の仲間相場は、 全品目が前年同月を上回っているものの、 前月よりも値を下げている。  冷蔵品 「ロース」 は、 米国産が831円/kg (5.3%、 図10)、 台湾産が857円/kg (8.5%) となった。 前月に比べると、 それぞれ、 20円、 87円値を下げた。   「ヒレ」 は、 米国産1,144円 (21.8%)、 台湾産が、 1,116円 (6.6%) となった。 前月と比べると、 それぞれ5円、 118円値を下げた。  冷凍品は、 「ロース」、 「ヒレ」 が、 依然、 前年同月を上回っている。 それ以外 は、 台湾産 「もも」 が497円/kg (▲13.0%、 図11)、 同 「うで」 が396円/kg(▲ 19.2%)、 デンマーク産 「ばら」 が601円/kg (▲8.4%)、 など前年同月を総じて 下回った。
◇図10:輸入豚肉の仲間相場(冷蔵品)(米国産ロース)◇
◇図11:輸入豚肉の仲間相場(冷凍品)(台湾産もも)◇

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