● 10月の生産量
前年同月をやや下回る
10月の生産量は、 2カ月前のえ付け羽数が前年同月比▲3.3%であったことな
どから、 11万497トン (▲3.4%) と前年同月を下回った (図1)。
10月のブロイラーひなえ付け羽数は、 前年同月を下回っていた8、 9月から一
転し、 2.5%増の6千89万羽 (2.5%) なった (図2)。 主要3県の10月のひなえ
付け羽数は、 岩手996万羽 (12.5%)、 宮崎963万羽 (▲2.4%)、 鹿児島1千151万
羽 (3.1%) となっている。
農林水産省統計情報部は、 ブロイラーひなえ付け羽数について、 前年同月と比
べて11月▲3%、 12月▲2%、 1月▲2%と見ている (11月上旬聞き取り)。
● 10月の輸入量
前年同月を大幅に上回る
10月の輸入量は、 主要4カ国中タイを除いて前年同月を大幅に上回り、 合計で
6万2千905トン (38.0%) となった (図3)。
国別に見ると、 中国産は、 2万2千797トン (60.6%) と8、 9月に引き続き
前年同月を大幅に上回った。 米国産は、 骨付きももが9千132トン (23.5%)、 そ
の他のものが4千538トン (21.8%) といずれも前年同月を大幅に上回り、 合計
で1万3千670トン (22.9%) となった。 ブラジル産は、 1万6千550トン (80.6
%) と7月の1万9千トンに次ぐ高水準の輸入量となった。 タイ産は、 タイ国内
の需要が増加していることなどから引き続き輸入価格は高値にあり、 他国が前年
同月を大幅に上回った中で、 9千616トン (▲9.4%) となった。 一方、 タイから
の調製品の輸入量は、 8年1月以降毎月連続して増加しており、 10月は3千66ト
ン (19.3%) と初の3千トン台となった。
● 10月の推定出回り量
前年同月をわずかに上回る
10月の推定出回り量は、 16万2千476トン (2.6%) となった (図4)。
輸入品は、 5万1千669トン (20.2%) と前年同月を大幅に上回った。 国産品
は、 生産量が前年同月を下回っていることなどから、 11万807トン (▲4.0%) と
なった。
● 10月の推定期末在庫量
前年同月をわずかに上回る
10月の推定期末在庫量は、 12万8千800トン (2.9%) となった (図5)。
輸入品は、 11万5千523トン (4.6%) と輸入量が急増したことなどから積み増
しとなり、 4月以来6カ月ぶりに前年同月を上回った。 国産品は8月をピークに
徐々に取り崩され、 1万3千277トン (▲9.5%) となった。
● 10月の国産鶏肉の卸売価格
もも、 むね、 とも前年同月を上回る
10月の国産鶏肉の卸売価格 (東京・平均) は、 生産量が前年同月を下回ってい
ること、 運動会などの行楽需要もありもも肉は645円/kg (15.2%) となった。
むね肉は、 夏場の蒸し鳥などの季節的需要が一段落したことなどから、 前月よ
り24円値を下げ311円/kg (2.0%) となった (図6)。
なお、 11月末には、 もも肉が700円/kg、 むね肉が335円/kgとなっている (東
京・中値 「畜産物市況速報」)。
● 10月の輸入鶏肉の卸売価格
総じて前年同月を上回るも前月より下回る
10月の輸入鶏肉の卸売価格は、 中国産もも肉が、 8月をピークに値を下げ、 36
0円/kg (0.6%) となった。 米国産骨付きもも肉は、 輸入価格 (CIF) が前年同
月を大幅に上回っているのに対して比較的安定しており、 278円/kg (5.3%) と
なった (図7)。
11月の価格は、 中国産もも肉が352円/kg (▲2.2%) と続落し、 6月以降5カ
月ぶりに前年同月を下回った。 米国産骨付きもも肉は273円/kg (2.6%) と前年
同月よりは高い。
毎月連続して増加するタイ産鶏肉調製品
8年1月以降、 タイ産の鶏肉調製品の輸入量は、 鶏肉とは対照的に、 毎月連続
して増加している (図8)。 品目としては、 冷凍の照焼きチキン、 から揚げ等が
多いとみられる。
一方、 中国産も増加傾向にある。 照焼きチキンなどのほか、 手作業によるロー
ルキャベツなどが生産されていると見られている。
タイ産、 中国産とも輸入量が1月から10月の間にほぼ2倍に増加しており、 今
後の輸入動向が注目される。
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