◎地域便り


岩手県経済連 「県南家畜市場」 オープン

岩手県/小笠原 信孝
 岩手県経済連が江刺市田原字深沢地内に建設を進めていた 「県南家畜市場」 が
10月22日にオープンし、 11月12日に落成式が盛大に行われた。 

 同市場は、 国の家畜市場再編整備方針を受けて、 家畜市場近代化総合整備事業
を導入し、 今年1月に着工した。 県南の胆江家畜市場、 磐井家畜市場の2市場を
統合、 さらに沿岸の気仙地域を加えて黒毛和種の子牛及び成牛を扱うことになる。 

 セリにかける子牛の手綱をレールに引っかけて自動的にセリ場に誘導する装置
を設置している他、 購買者が買った子牛を市場開催期間中滞留させる場所を併設
するなど、 設備機能、 上場可能頭数規模とも全国トップレベルを誇る。 集客能力
の増大により価格形成力を高め、 畜産振興に果たす役割が期待されている。 

 事業費は約12億円で、 このうち国及び県が4億円、 江刺市が3億円を補助した。 
同市場は、 国道397号と456号に挟まれた丘陵地にあり、 東北新幹線の水沢江刺駅
から約2.5kmの至便な位置にある。 

 敷地面積は、 11.5ha、 鉄骨2階建てのセリ場兼事務所は、 購買者席250席を備
えたほか、 生産者控室では市場の様子をモニターテレビで見ることができる。 上
場前の牛のつなぎ場は2,294平方メートル、 上場後の牛の一時預かり畜舎は3,194
平方メートルの広さがあり、 両施設には搬出入時の混雑解消のために、 それぞれ
プラットホームを設けている。 駐車場は大型車専用を含めて約700台を収容でき
る。 

 県経済連では、 1ヵ月に子牛4日間、 成牛 (黒毛和種の子牛以外のもの) 1日
の計5日間市場を開設し、 年間2万頭の上場を見込んでいる。

【全国トップレベルの設備を誇る県南家畜市場】


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