◎地域便り


稲ワラ取引価格調整会議

鹿児島県/野入 宏承
 肉用牛の肥育が盛んな鹿児島県出水 (いずみ) 地区で、 平成8年度産の稲ワラ
基準取引価格を調整する会議が9月5日に開催された。 この会議は、 供給側の稲
作農家と買い手側の肉用牛農家の代表者及び畳業者が参加し、 毎年この時期に開
催されている。 

 肉用牛肥育農家にとって稲ワラは、 地域で確保できる貴重な粗飼料である。 米
の収穫が終わると、 束ねられ掛け干しされた稲ワラはそのままトラックに積み込
み運搬され、 また、 コンバインで裁断された稲ワラはヘーベーラーで梱包の上、 
トラックで運搬される。 

 最近では台湾や韓国等から稲ワラが輸入され、 電話一本で庭先まで届けてもら
えるものの、 この時期に良質で安価な地元の稲ワラを必要量確保することは、 肥
育農家の経営安定のためには必要不可欠となっている。 買い手が競合すると価格
がつり上がることが懸念され、 また、 畳業者との競合もあることから、 農協、 農
業委員会、 行政の立会いの下、 取引の際の目安とされる基準取引価格の調整を行
っている。 

 平成8年度の基準取引価格は、 米価格や枝肉の卸売価格が低調な情勢等を考慮
し、 前年と同額に据え置かれることとなった。 決定された価格については、 農協
や農業委員会の広報誌を通じて地域の農家に周知され、 今年も無事、 肥育農家の
倉庫や牛舎の屋根裏に新鮮な稲ワラが収納された。

平成8年度産稲ワラ基準取引価格
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  区 分      基準取引価格
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 掛け干し  1束         60円
       1反      8,000円
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 コンバイン 1反     3,500円
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(規格及び条件)

@ 束による取引の場合の1束当たり重量が4.5s以上のもの。
A 長期保存できるよう十分に乾燥されたもの。
B 車が横付けできる場所であること。
C 上記条件に適応しないものは両者で協議のうえ決定する。


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