◎地域便り


畜産分野に初挑戦−北見農試フォーラム

北海道 新名正勝

 北海道の北見農業試験場は今まで畑作・園芸の研究を主体に取り組んできたが、

 「北見農試フォーラム」 3年目の今年は、 地域農業の3本柱の1つである畜産分

野に初挑戦した。 このフォーラムは平成5年から始まり、 試験場と現地の密着を

ねらいにして特定のテーマで研究協議している。 



 今回のフォーラムは、 10月13日に酪農地帯の紋別市で開催され、 出席者は、 酪

農家や関係機関から約160名。 内容は、 「牧草の熟期別品種の有効利用」 と 「草地

の低コスト維持管理法」 の基調講演、  「サイレージ調製」 と 「放牧利用」 の2分

科会、 そして全体討議で構成された。 



 参加した酪農家からは、 一律的なものではなく 「あなたの草地はこれがよい」 

というような具体的な指導を望むなど、 現場からの切実な意見も出て、 短時間で

はあったが高品質粗飼料について真剣に考えるきっかけとなった。 



 北見農業試験場の畜産に関連した研究は、 チモシーの育種を担当している牧草

科が行っているだけなので、 フォーラムで手薄の部分は、 天北農業試験場に応援

してもらった。 



 今回の取り組みは多くの課題を残したが、 地域事情を優先してまず現地に飛び

込む姿勢は高く評価され、 今後の展開が期待されている。 


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