◎地域便り


自家施設で良質たい肥、 大きなスイカに大きく貢献

鳥取県 松島孝志

 鳥取県中部大栄町由良宿で母豚50頭、 出荷肉豚約1千頭の繁殖肥育一貫経営を

行っている竹歳祥仁さん (54歳) が独自に開発したふん尿処理施設で生産された

たい肥が、 周辺の農家へ供給され、 大変喜ばれている。 



【良質たい肥つくりに励む竹歳さん】
 大栄町は農業の盛んな地域で、 スイカ (35億円) 、 畜産 (9億円) 、 長イモ (7億円) 、 キャベツ (3.5億円) 、 梨柿 (3億円) などが主要作目。 その中で、 竹歳さんは養豚専業農家として長年立派な成績を上げているが、 最近、 内外の畜 産情勢の変化に対して 「これからの養豚経営は効率的な経営が大切」 という思い を強くしている。  そこで養豚農家が困っているふん尿処理が緊急の問題とばかり、 従来の処理施 設で不十分だった尿の処理方法を改善するため、 町内の養豚農家に先がけて団地 内豚舎横に、 深層タイプロータリーを用いた自家ふん尿処理施設を併設した。 こ の施設は、 幅6メートル、 全長40メートル、 約240メートルのたい肥を処理する ことができる。 屋根と側面がビニールで被覆されているので、 施設内は太陽熱に よって高温になりたい肥の発酵を促すと同時に水分調節の役目も果たしている。 また、 リン酸、 カリの含有量も多く、 成分バランスの取れた完熟たい肥であるこ とが大きな特徴で、 見た目も良く、 水分含有量は少なくパラパラと取扱いも便利 なたい肥である。 生産量は1ヵ月当たり12〜16トン、 年間200トン近くにもなり、 単価も市販の半値くらいで販売している。  竹歳さんは全国的に有名なスイカ、 長イモ、 キャベツの生産にこのたい肥を利 用し、 増産に一役買いたいとたい肥つくりに取り組んでいる。 さらにこのところ、 話を聞いた県内の養豚農家から、 ふん尿処理の参考にしようと視察が絶えないと いう。
元のページに戻る