◎地域便り


飼料給与の巡回指導で高品質な牛肉生産を

鹿児島県 杉山 昇

 鹿児島中央畜産農業協同組合連合会では、 より一層の肥育牛 (黒毛和種) の品

質向上を目指し、 市・町、 JAと一体となり、 平成7年度から2カ月に1回の割合

で飼料給与の実態調査と指導のための農家巡回を実施している。 



 これまでJA全農の飼料を利用した飼料給与マニュアルを作成し、 その給与体系

を普及してきたが、 血統が同様な素牛でも肥育する農家によって枝肉成績にバラ

ツキがあるなど期待したほどの成果が得られなかった。 そこで、 実際にマニュア

ル通りの飼料給与が行われているか、 その実態を調査するとともに現地指導を強

化することとなった。 



 肥育牛ごとの飼料の種類と給与量を調査してみると、 マニュアル通りの給与が

守られている農家ばかりではなく、 農家間に差があることが分かった。 毎日きち

んと計量し、 給与している農家がある一方、 長年の 「勘と経験」 に頼った飼料給

与を行っている農家もあった。 1頭分の1回当たり給与量を計量し、 農家が考え

ていた重量と差があることを示された農家は、 さすがに驚きを隠せない様子であ

った。 巡回指導時には計量器と記録用紙を配布し、 計量給与に心掛けるよう指導

を行った。 



 今後も地域関係者が一体となり、 この実態調査と指導を継続し、 枝肉成績との

関連も調査を行い、 その結果を農家へフィードバックするとともに、 そのデータ

に基づいて現在のマニュアルの見直しも行いながら、 産地間競争に打ち勝つ高品

質な牛肉生産を推進することとしている。 

きれいな環境で卵の生産を


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