◎地域便り
「TMR活用マニュアル」 完成
北海道/橋立 賢二郎
TMR (Total Mixed Ration) は、 乳牛が必要とする栄養素をバランスよく含む
ように設計された配合飼料である。 粗飼料や濃厚飼料を混合するので給与作業が
省力できるうえ、 乳牛の生理機能を満足させる方法として注目されて久しい。 北
海道十勝支庁管内でのTMR用ミキサーの導入は1977年から始まり、 1990年代に入
ってから急速に増加し、 現在では酪農家2,262戸中254戸 (11.2%) に普及してい
る。 しかし、 TMRの利用実態は必ずしもこの利点を十分生かしているとはいえな
い。
そこで、 十勝管内の改良普及員で構成する畜産部会では、 これからTMRを導入
する酪農家や、 すでに導入したものの利点を生かし切っていない酪農家の参考と
なるよう 「TMR活用マニュアル」 を完成させ、 3月に発行した。
このマニュアルは、 TMR導入農家の実態や、 TMR導入に当たって検討すべき事項、
TMR方式の問題点と改善点等がまとめられている。 その中でTMR導入後に工夫改善
している事例として、 施設については、 (1)採食量を増やすため、 飼槽前のスペ
ースを広げ換気を良くする、 (2)飼料を保管する施設の配置は風通しが良く、 常
に乾燥する場所を選ぶ、 (3)ラクターやミキサーで飼料を踏みつけないよう、 一
度に多量の飼料が置け、 換気もよくできるよう中央給飼通路を広くとる、 などが
紹介された。 また、 飼料調製・給餌では、 (1)混合時間を短くし、 繊維がソボロ
状にならない様に注意し、 乾物摂取量を向上させる、 (2)飼槽の清掃作業を効率
的に行うため、 耕運機の改良型やカートを利用して作業効率を高め、 清掃回数を
増やす、 などの改善例があげられた。
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