◎地域便り


活躍するタワーサイロバッグ

北海道/高木 正季

 北海道稚内市の佐藤正成農場では、 タワーサイロバッグ (サイロ内に装着し、 

原料草を包み込むポリ袋) を利用し、 良質サイレージを調製している。 今年も6

月5日に、 バッグの取り付け作業が行われた。 



 この技術は、 昭和61年に北海道指導参考事項になったもので、 主な効果として

は気密性向上、 壁面雑菌の遮断、 壁面保護、 壁面凍結によるサイレージ付着防止、 

原料草自重沈下が大きいこと、 夏場開封サイレージなどの品質保持、 廃棄ロス軽

減、 老朽サイロの再利用、 低廉なコストなどがあげられている。 



 しかし、 取り付けが面倒なことや、 ラップサイレージ、 バンカーサイロの普及

にともない、 利用数は一時より減少しているものとみられる。 



 佐藤農場の塔型サイロ (240t) には縦に数条の亀裂があり、 鉄製バンドで補強

して使用しているが、 そのままでは良いサイレージができない。 また、 凍結によ

るサイレージの壁面付着にも苦労してきた。 このような経験を踏まえ導入に踏み

切った。 



 バッグの効果を高く評価する一方で取り付け方も工夫している。 廃品の鉄材と

滑車でバッグ吊り具を製作、 これにより30分程度でバッグを難なく装着すること

ができる。 すでに10年以上の使用経験を持ち、 バッグの吊り上げと弛み防止も、 

吊り紐先端に結わえたおもりで自動調整している。 



 約100頭の乳牛を飼養し400tの生乳を生産している佐藤農場では、 経営全体に

ムダがなく、 欠陥を持つサイロも 「真空サイロ」 と化して活躍している。



【タワーサイロバッグのイメージ】



【タワーサイロの中部、バッグを吊り具に取り付け、その後引き上げる。】



【セット完了、上の中心部よりダクトホースで原料草をいれる。】




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